tamaking69>日経新聞1016日 の「敷地内地下水は大半雨水、産総研が解析」との記事を見て、やっと具体的実用的な調査が出て来ました。私はこの調査通りであれば素晴らしい進展が在ると思います。


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新聞記事のご紹介、有り難うございます。


福島第一原発で、地下水が原子炉冷却で汚染した水と混じって汚染水の増加を引き起こしており、何とかして地下水の流入を防ごうと大騒ぎになっています。流入する地下水の殆どは、敷地内に降った雨水の筈だから、敷地全体を舗装や防水シートなどで遮水すれば、流入は防げる可能性がある、と言う報道(文献1)です。


地下の構造は公表されている、とのことだったので、探したところ、8/23に東電が64頁の報告(文献2)を出していました。


福島第一原発の敷地は、高さ35mの台地の上にありますが、海側を海抜10m迄掘削して、発電所建屋を造っています(最後の図、東西断面図を参照)。

掘削せず、35mの台地の上に発電所を作っていたなら、津波でやられることもなく、事故になることはなかったでしょう。わざわざ掘削して海抜10m迄低くしたのは、原子炉の冷却に海水を使いますが、ポンプの揚水能力が足りなかったから、と、いつかのNHKの番組で説明していました。ポンプのコストをけちったために、大きな事故が起きてしまいました。

福島第一原発全景


ボーリング調査で、地下水の水面の高さが分かっています。

地下水水位の分布


地下の構造は、南北方向にはほぼ水平で、東西方向には2度、傾斜しています。

福島原発の地下構造、南北


福島原発の地下構造、東西


地下水は泥質部で遮断されており、水を通す中粒砂岩層は、原発敷地の西側で終わっているので、その中の地下水は、敷地に降る雨水が大半であることは、容易に想像できることです。ボーリングで地下水面を調べているので、降水と連動していることを、東電は分かっていることでしょう。

わざわざマスコミが取り上げる様な知見ではないと思うのですが、私の理解が間違っているでしょうか?


流入地下水の大半が、敷地に降る雨水であることは直ぐに分かるが、それでも、その遮水が難しくて、大騒動している。
のではないでしょうか?


何回も書いているように(文献3)、さっさと海に流せば良いと思います。


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(参考文献)

1)

福島第1建屋流入の地下水、大半は雨水 産総研が解析

日本経済新聞 電子版 2013/10/16 2:00

http://www.nikkei.com/article/DGXNZO61125800W3A011C1CR8000/

1920日の日本水文科学会で発表する。

 福島原発の敷地内に降った雨は、地下2040メートルの「富岡層T3部層互層部」という地層から上を流れていた。一方、阿武隈山地で降った雨水は地下深くを通過し、同原発の原子炉建屋には流入していないとみられる。

 建屋には毎日400トンの地下水が流入しているが、敷地内に降る雨水量をもとにした計算とほぼ一致。原子炉建屋に流れ込む地下水はほとんどが雨水で、一部が原発西側の水田からの流入と結論づけた。

これが裏付けられれば、敷地全体を舗装や防水シートなどで遮水処理し、原発建屋周辺への地下水流入を防げる可能性が高まる。


2)

福島第一原子力発電所周辺の地質・地下水および解析

平成25823日 東京電力株式会社

http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/roadmap/images/c130823_05-j.pdf

3)

20130915日「汚染水、放出準備に着手を、と米専門家ーーやっと、まともな声。さっさと海に流せば解決。地下水遮蔽対策に何千億円もの税金はどぶに捨てるようなもの」

http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/52124821.html