(前略)
つまり、山本大臣は自身の会社の利害関係者のために国会質問をしたのではないかと疑われているわけで、仮にこの国会質問に際して、金銭の授受があった場合、受託収賄罪に問われ、議員辞職はおろか逮捕される可能性もあるのだ。
「山本大臣は、この疑惑を週刊誌に報じられた際も、ブルー社との関わりについて『非常勤、無報酬かつ一時的』などと回答し、説明責任をまったく果たそうとしていません」(同)
この疑惑だけをとっても大臣の資質があるとは到底思えないが、実は山本大臣が代表取締役を務めていたブルー社には、さらなる疑惑が囁かれているのだ。
その疑惑とは、13年11月に倒産した「松月堂」(東京都新宿区)というパン屋の土地取引に関するもの。松月堂関係者が語る。
「東日本大震災が起きた11年3月11日以降、松月堂の工場は、もともと老朽化していた外壁が地震によってヒビ割れ、機械にもズレが生じるなどして、パンの生産が立ち行かない状況に陥ってしまったそうです。そこで、当時の社長が会社の顧問弁護士と相談し、経営をコンサルタントに譲渡することに決めたんです」
この話し合いの過程で、老朽化した工場は取り壊すことが決まり、その後、土地を売ったカネで新工場を別の場所に建てることが決まったという。
「都内の一等地にあるとはいえ、土地の買い手は簡単に見つからなかった。そのとき手を上げたのが、ブルー社の取締役をしている榊原康寛という人物だったんです。榊原氏は『ブルー社は自民党の国会議員が社長をしている会社で潤沢な資金がある』と自慢気に語っていたそうです」(同)
この榊原なる人物とは一体何者なのか。
「08年に倒産したアーバンコーポレーションの房園博行社長(当時)の下で地上げ部隊として一時期活躍し、山本大臣とは落選期間中の04年頃に知り合い、クルマを貸すなどして親交を深めていたようです」(金融関係者)
それが事実なら山本大臣との付き合いは10年以上になるわけだ。
とまれ、このブルー社の榊原氏が手を上げたことで、パン工場跡地の土地取引は順調に進んでいくものと見られていた。ところが、である。
「いざ、売買契約の話を進めていくと、榊原氏はしきりに『最終的な決済はうちの代表が決めるので』とか『代表に聞いてみないと分からない』などと自分に決裁権がないことを強調し、最終的には当時の実勢価格より3億ほど安い7億円程度で売買することに決まりました。しかも、榊原氏は『全額をブルー社から出すのは難しいので、一部は銀行からブリッジローンを組んで融資を受ける』と言い出したそうなんです」(前出の松月堂関係者)
そして、ここからさらに狡猾な手口で榊原氏は松月堂の土地取引に食い込んでいくのだ。
(後略)