2017-08-03
■[報道]国連の自由権規約委員会が、従軍慰安婦問題における日本政府への評価をさげる
すでに韓国メディアが報じているが、なぜか日本メディアで記事が見当たらない。
委員会は履行措置をA・B・C・D・Eに分けて評価するが、Dは答弁がない場合、Eは勧告に反する措置を取った場合につけられる。極めて例外的な場合を除いては事実上、Cが最低の評価となる。
委員会は第120回会議の報告書で、「勧告履行と関連した新しい情報がない」としたほか「被害者への侮辱を処罰する手段と関連した情報不十分も遺憾に思う」と表明。慰安婦合意含まれる日本政府の10億円拠出についてはBと評価したが、関係者に対する処分や賠償、証拠公開、政府の謝罪などについてはCをつけた。
中央日報も聯合ニュースとほとんど同じ内容の短い記事で、情報源が共通していることがうかがえる。いまのところは自国が関係している部分だけ簡単に伝えただけのようだ。
国連、日本の慰安婦問題への取り組みを批判…評価引き下げ | Joongang Ilbo | 中央日報
もちろん自由権規約委員会は歴史認識だけをとりあげる場所ではない。まだ日本メディアでの報道を見かけないのは、日本がとりくむべき課題をあますところなく伝えるため、力をこめた記事を準備しているからだと信じたい。
さて、日韓合意に対して国際社会から厳しい目が向けられるのは今回が初めてではない。少し前も、拷問禁止委員会が日韓合意の見直しを韓国へ勧告したばかり。
国連の拷問禁止委員会も、日韓合意の見直しを勧告 - 法華狼の日記
全体として、合意そのものが全否定されたわけではないが、名誉回復や再発防止の政策が足りないと批判されている。合意において公館にかぎった努力目標にすぎない少女像移転は問題視もされず、むしろ日本の歴史教科書から記述が削られたような記憶の抹殺が批判の理由に数えられている。
国連の勧告に対して日本から「冷静」な反論がくりかえされるほど、ますます国際社会の日本に対する視線は厳しくなっていくことだろう。