----H----106-----------
----i---------------------
----y-----------------------
----o-k-k-o---------------
---------------------------
---------------------------------------------------------------
♪「Pon pon pon…」
♪「愛の言葉をリル」
♪「シャイなハートがドキドキ」
♪「あの日観てた“サウンド・オブ・ミュージック”」
♪「瞼閉じれば蘇る」
♪「幼い頃の大事な 宝物だけは」
♪「ずっと この胸に抱きしめて来たのさ… Ah ah」
♪「夜の酒場で Lonely」
♪「あの娘 今頃どうしてる?」
♪「さなぎは今、 蝶になって」
♪「きっと誰かの腕の中」
♪「肩寄せ合い 声合わせて」
♪「希望に燃える 恋の歌」
♪~
(世津子)遠いところを申し訳ございません。
川本世津子と申します。
♪~
(美代子)谷田部です。お邪魔いだします。
♪~
(世津子)どうぞ。
♪~
(みね子)傘 ありがとうございました。
いいえ。
♪~
大丈夫?
うん。
分がりませんか? 美代子です。
(実)申し訳ありません。
本当なんだね…。
(実)ごめんなさい。
本当なんだ…。
♪~
どうぞ。
♪~
<お母ちゃんは服のほころびを見つけてそれが嫌でしかたないみたいです。そのほころびは全然 大したもんじゃなくて…。でも それが悔しいお母ちゃんの気持ぢも私には 分がってしまって…。何だか 悲しいです>
みね子さんから 少し お聞きになっているかもしれませんが…。
はい。
谷田部家として 妻としてまずは お礼を申し上げます。
さまよっていた夫を助けでいだだきました。ありがとうございました。
助けで頂かながったら夫は どうなっていだが分がらないと思います。
感謝いだします。
いいえ。
今日は 夫を引き取りに参りました。
はい。
でもどうしても 私には分がりません。
なぜ 2年以上も そのまま…。
もし あなたが 病院や警察に届け出てくれてたら 夫は私たち家族のもとへ戻ってきたんではないでしょうか?
おっしゃるとおりです。
だったら なぜ?
この2年半 家族が どんな思いで生きてきだか 分がりますか?
♪~
(美代子)これが 私たち家族です。これが 夫の父です。こっちが次女のちよ子。これが長男の進。
(美代子)どんな思いで…。どんな思いで 私たちが…。
私たちが生きてきだか分がりませんか!
考えもしませんでしたか!?この人に家族はないのだろうかその家族はどんな思いで いんだろうかと考えもしませんでしたか!?
この子はいなぐなった父親の代わりに家族に仕送りするために東京に来ました。
この子が どんな気持ぢで働いでだか 分がりますか?その仕送りをどんな気持ぢで受け取っていだが分がりますか?お金のこどだけを言ってるんではありません!どうして…。あの それは 私が…。
(世津子)出ていってほしくなかったんです。
いけない 間違っていると思いながらいつか そうしなければいけないと思いながら…。
そのままにしてしまいました。
本当に申し訳ありません。
おわびのしようもありません。
楽しかったです。
一緒にいるのが。
確かに この人は谷田部 実さんという人なのかもしれません。
でも ここに来た日からは名前のない人でした。
雨の日に出会ったので雨男さんと呼んでいました。
初めて…。
早く家に帰りたいと思った。
生きてきて初めて…。
そんな時間でした。
(世津子)でも やはり許されることであるわけなどなく…。
(世津子)偶然みね子さんと知り合ったのもそういうことだと思います…。
♪~
今日まで本当に申し訳ありませんでした。
♪~
分がりました。
こぢらこそ 今日までありがとうございました。
はい。
失礼致します。
♪~
実さん 帰りましょう。
あの ちょっと待って下さい…。
少し 話を。
(世津子)その必要はありません。
さようなら。
もう二度とお会いすることはないと思います。
谷田部さん。
♪~
みね子 行ぐよ。お邪魔いだしました。
♪~
(ドアが閉まる音)
<お父ちゃんと お母ちゃんと3人で歩いています>
<誰も 何も しゃべりません。私たぢは これがらどうなんのでしょうか?>