PTが安全宣言も…豊洲新市場でくすぶる3つの“灰色事実”

「発泡スチロールはコンクリートよりもずっと耐用年数が短く、頻繁にメンテナンスする必要があります。さらに、挟まれた発泡スチロールから地下水が染み出し、地下空間にたまっている可能性がある。水に触れるような環境だとさらに劣化が激しくなるので、10年ほどで取り換えなくてはならなくなるでしょう。相当に大規模な作業です」(構造設計に詳しい今川憲英・東京電機大学教授)

■日建建設「業者の相談」に我関せず

 豊洲の設計を手掛けたのは日建設計だが、仲卸棟の「間口が狭い」店舗内の造作(備品の配置など)について事業者から相談を受け、工程の調整を担当するのは、実は設計中堅の「大建設計」(東京・品川区)だ。これも第2回会議まで知れ渡っていなかった事実である。

 都の入札情報を見ると、大建は16年3月3日に都が発注した「豊洲市場における造作工事に係る工程調整及び承認審査支援業務委託」を約2億6000万円で受注している。なぜ建物と店舗内の造作をわざわざ別の設計事務所に発注したのか。中央卸売市場・移転調整担当部は「分けることで全体の業務を効率的に進める狙いがある」と説明する。

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