IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1-13-5、代表取締役社長:竹内正人、Tel代表:03-3556-4762)は、国内携帯電話、およびスマートフォン端末の2017年第1四半期(2017年1~3月)の出荷台数を発表しました。
2017年第1四半期の国内携帯電話出荷台数(スマートフォンと従来型携帯電話の合計)は、前年同期比9.0%増の879万台となり、2015年第1四半期の917万台に迫る出荷台数を記録しました。2016年第1四半期以来の出荷台数の落ち込みは回復基調にあると言えます。
回復基調にあるこのような市場環境において、アップルは426万台のiPhoneを出荷し、前年同期比6.3%増となりました。同社は国内携帯電話市場で48.4%のトップシェアを維持しており、日本市場での圧倒的な強さを保っています。2位はauKDDI、ソフトバンクの2社にローエンドモデルを中心に多くの供給を行った京セラが入り、3位には各キャリアに満遍なく出荷を行ったほか、ヤフーモバイル向け"Android One S1"が堅調な出荷を記録したシャープが入りました。
また、従来型携帯電話の出荷台数は27万台で、前年同期比82.0%減の大幅な縮小となり、この市場は急速に終息を迎えていると言えます。他方、スマートフォンは851万台の出荷で、前年同期比30.1%の成長となりました(端数処理[四捨五入]の影響により出荷台数合計値の末尾は一致しません)。スマートフォン市場をベンダー別に見ると、アップルが50.0%のシェア、以下の順位は、携帯電話市場と同様、第2位に京セラがランクインし、シャープが3位となりました。
その他、MVNO事業者向けに出荷されることの多いSIMフリーモデルは76.6万台となりましたが、構成比としてはスマートフォン市場全体の9.0%を占めるに過ぎず、成長基調にはあるものの依然として少数の出荷にとどまる厳しい状況が続いています。
「従来型携帯電話の急速な終息を受け、日本の携帯電話市場はスマートフォンへの移行が急テンポで進みつつある。その中で従来型携帯電話ユーザーの受け皿となるモデルの重要性が今後高まることは明らかである」とIDC Japan PC, 携帯電話&クライアントソリューションのシニアマーケットアナリストである菅原啓はコメントしています。また、「それと同時に世界的潮流として、有機ELパネルの採用やデュアルレンズカメラの採用がハイエンドモデルを中心に活発に進んでおり、VRプラットフォームであるGoogle Daydreamも、普及に向けた動きが活発化しつつある。規模の面から見ても、スマートフォンが今後のデジタルトランスフォーメーション(DX)において大きな役割を果たすことは明らかだ。我々は、日本の携帯電話市場の特殊性を前提とした市場理解をすると同時に、ハードウェア、ソフトウェア両面で世界的視野でのイノベーションに伍することが求められるだろう」と述べています。
今回の発表はIDCが発行した「Worldwide Quarterly Mobile Phone Tracker」にその詳細が報告されています。
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<参考資料>
図1.2017年第1四半期 国内携帯電話出荷台数 ベンダー別 シェア

Total = 879万台
図2.2017年第1四半期 国内スマートフォン出荷台数 ベンダー別シェア

Total = 851万台
Source: IDC Japan, 5/2017
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