IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1-13-5、代表取締役:竹内正人、Tel代表:03-3556-4760)は、国内携帯電話、およびスマートフォン端末の2016年第4四半期(10~12月)、および2016年通年(1~12月)の出荷台数を発表しました。
2016年通年の国内スマートフォン出荷台数は、従来型携帯電話からの移行が進み、前年比6.3%増の2,923万台となりました。特に2016年第3四半期(7~9月)からは従来型携帯電話の退潮が顕著となり、スマートフォンへの移行が一気に進んだことから、出荷台数は第3四半期が703万台で前年同期比18.8%、第4四半期が938万台で同10.2%の増加となりました。
2016年のスマートフォンのベンダー別シェアでは、アップルが2015年から2.4ポイント伸長し54.8%で第1位を維持しました。第2位以下はソニー、シャープと続き、第4位京セラ、第5位富士通と前年と同じ顔ぶれになりました。
一方、2016年通年の国内携帯電話出荷台数(スマートフォンと従来型携帯電話の合計)は、従来型携帯電話の落ち込みを折りたたみ型スマートフォン等のローエンドモデルで補完することができず、前年比5.3%減の3,260万台となりました。なお、2016年第4四半期はAppleが500万台を超える出荷を行ったことや、Androidスマートフォンの冬モデルが堅調な伸びを示した一方で、従来型携帯電話の出荷減少が急速に進んだことで、前年同期比6.8%減の975万台となりました。
2016年も国内携帯電話市場でシェア第1位を維持したアップルに続き、第2位には国内スマートフォン市場で安定した人気を維持しているソニー、第3位は幅広いラインナップを安定して供給しているシャープが入り、従来型携帯電話や「らくらくホン」で底堅い基盤を持つ富士通が第4位、多くのキャリアに端末を供給する京セラが第5位になりました。MVNOキャリアの多くが推奨するSIMフリー端末は出荷台数の上ではいずれも少数にとどまっており、キャリア主導の国内市場では今のところ苦戦していることがうかがえます。
「性能面では明らかに成熟期に到達した日本のスマートフォン市場だが、従来型携帯電話の置き換えという大きな市場が残されている。これらの層の需要に対応するためのローエンド、あるいは折りたたみ式のスマートフォンのラインナップ拡充の必要性が高まる一方、AR/VRプラットフォームとしてのハイエンド端末のニーズも見込まれる」とIDC Japan PC,携帯電話&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストの菅原 啓は述べています。さらに「このような状況下で国内においてもスマートフォンの多様化がさらに進む可能性は高く、ベンダーとしてはターゲットとする層を明確にした端末の仕様確定や、製品戦略の明確化の必要性はより高まるだろう」と分析しています。
今回の発表はIDCが発行した「Worldwide Quarterly Mobile Phone Tracker」にその詳細が報告されています。
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<参考資料>
図1.2016年第4四半期 国内携帯電話出荷台数ベンダー別 シェア
Total = 975万台
Source: IDC Japan, 2/2017
図2.2016年第4四半期 国内スマートフォン出荷台数 ベンダー別シェア
Total = 938万台
Source: IDC Japan, 2/2017
図3.2016年 国内携帯電話出荷台数 ベンダー別シェア
Total = 3,260万台
Source: IDC Japan, 2/2017
図4.2016年 国内スマートフォン出荷台数 ベンダー別シェア
Total = 2,923万台
Source: IDC Japan, 2/2017
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