- 皆さんはどうやって、テレビ番組の録画をしていますか?
自分は前の記事にもあるように、PT3をlinux(Ubuntuですが)PCに乗せて録画をしています。
いわいるTS抜きチューナーと呼ばれるチューナーを使った録画です。 これはPT3が通常価格で販売されていた時は、簡単にPT3を確保する(1万円程度)だけでよかったのです。
しかし、これからLinuxでテレビ録画サーバーを建てようと考えている人は、PT3の生産終了による価格上昇(現時点では5万円代)や、
唯一Linuxドライバーがあると表記されていた、Plexのチューナーは、結局ドライバー公開されなかったり、色々と悩んでいるのではないでしょうか。
※地上波のみで良ければPX-S1UD V2.0、未検証ですがおそらくPX-S1UD V2.0 Plusも可能です。
そこで、今回は比較的良心的な価格で、地上波/BS・CSの録画できるチューナー
「さんぱくん外出」を使ったセットアップ方法をまとめてみました。
そもそも「さんぱくん外出」ってなに?
※ボード型の「さんぱくん」はlinux利用、TS抜きチューナーとしての利用はできません。
「さんぱくん外出」はDigibestのチューナーを利用して内田商事(株)が生産しているWindowsPC向け地上波/BS・CSチューナーです。
(アンテナの穴は1つで混合器を別途用意して地上波/BS・CSチューナーとして使えます。)
「さんぱくん外出」公式サイトはLinuxのドライバーとかないんだけど…
本来「さんぱくん外出」はメーカー推奨の通常ドライバー、通常ソフトでは硬いコピガードのある録画しかできません。
しかし、有志の方々によってLinux向けドライバーを作成、公開されたことによって、TS抜きチューナーとして使えるようになりました。
ちなみに、WindowsでTS抜きとして使うには基盤を少し改造する必要があるようですが、linuxではソフトさえ用意すればハードの改造必要なく利用可能です。
<そして、PT3とは違い「B-CASカード」が付属し「カードリーダー」もチューナーに一体化しているので、
わざわざB-CASカードをレコーダーから引き抜いたり、カードリーダーを購入する必要がないんです!
※自分で検証したところカードリーダーは流石に別途必要なようです。PT3などのTS抜きチューナーとは違いB-casカードは付属しています。
ただやっぱりPT3のようにはいかない点がいくつか…
・商品がなかなか手に入らない(何故か月末に10台程度の入荷→販売しかしていない)
・1台でダブル録画できない(BS・CS/地上波で1つずつでは無く、BS・CS/地上波あわせて1chのみ)
・混合器を買う必要がある(マンション等の地上波/BSが一つになっている共同受信の場合は不要)
・PT3程安定できるのか微妙
・複数台繋いでもダブル録画環境にならない(?) ※未検証です
・「さんぱくん外出」に関する情報が少ない
一番下のような現実もあるので、今回さんぱくん外出を購入して記事を書いてみたのです。
ちなみに、「さんぱくん外出」の入荷実績は自分が確認した範囲では下の表の通りです。
2017年4月 | 29日頃 |
2017年5月 | 24日頃 |
2017年6月 | 29日頃 |
大体その月20日以降からさんぱくん販売サイトをチェックすれば買えると思います。(最近は午前中で売り切れるので朝確認しましょう)
ちなみに販売は風見鶏(制作メーカーの内田商事のショップ)がしているのが公式です。転売されているのを買うのは辞めましょう。
販売サイト
・Amazon
http://amzn.asia/2YdFNIz
・楽天
http://item.rakuten.co.jp/kazamidori/4571330922035/
・風見鶏公式
http://www.flashmemory.jp/shop/shopdetail.html?brandcode=021006000004
では、本題の「さんぱくん外出」を実際に使ってみよう!
「さんぱくん外出」をlinuxに認識させる
ユーザーにvideoグループに入れ91-tuner.rulesを作成してルールを書けば認識されます。今回もUbuntu16.04での動作確認のみしています。
$ sudo groupadd video
$ sudo gpasswd -a [ユーザー名] video
$ sudo nano /etc/udev/rules.d/91-tuner.rules
SUBSYSTEM=="usb", ENV{DEVTYPE}=="usb_device", ATTRS{idVendor}=="0511", ATTRS{idProduct}=="0045", MODE="0664", GROUP="video"
$ sudo udevadm control --reload
と、すれば「さんぱくん外出」は再起動後に認識されます。
recfsusb2nを導入にて録画をする
まとめwikiにある、さんぱくん外出向けrecfsusb2nの改良版がGitHubにあったので、それの導入を紹介します。
これじゃないとBS・CSのチャンネル設定が面倒
recfsusb2nは暗号化解除用のlibaribb25をインストール時に有効にするようになっているので、まだの人はlibaribb25を入れてください。
もう入れている人は入れなくていいです。
$ git clone https://github.com/stz2012/libarib25.git
$ sudo apt -y install pcscd pcsc-tools libpcsclite-dev
$ cd libarib25
$ cmake .
$ make
$ sudo make install
recfsusb2を入れる
$ git clone https://github.com/epgdatacapbon/recfsusb2n.git
$ cd recfsusb2n/src
$ nano Makefile
ifdef B25
LIBS += -laribb25
を
ifdef B25
LIBS += -larib25
となるようにする
$ nano decoder.h
#include <aribb25/arib_std_b25.h>
#include <aribb25/b_cas_card.h>
を
#include <arib25/arib_std_b25.h>
#include <arib25/b_cas_card.h>
となるようにする。
どうしてこんなトラップがあるのかはよくわかりません。
$ make B25=1
$ sudo make install
これだけです。
recfsusb2nの使い方
doc.txtを訳しただけですが…
recfsusb2n [-v] [--b25] [--tsid n] [--sid n1,n2,...] [チャンネル] [録画時間] [出力先]
チャネル:13-62 = UHFチャネル、101- = BS / CSチャネル、60000- = kHz
:BSnn_n、CSnn_n(channel.h参照)
録画時間:(int)録画する時間(秒) " - "、0か負の数は中断しない限り録画(使い道はストリームの確認、Ctrl + cで中断)
出力先 : TS録画ファイル, "-" = stdout
Options:
-v : 詳細(initメッセージ、シグナル状態)
--b25 : スクランブル解除を有効にする(STD-B25)
--tsid : TS ID (BS/CS)
--sid : SID
これ単体で使うことは少ないと思うのでMirakurunに設定してみましょう。
Mirakurunで使う
一つ前の記事のStep8を参照するとわかりやすいと思います。※uSANpTV は「さんぱくん外出」の2ちゃんねる内での別名みたいなものです。
$ sudo EDITOR=nano mirakurun config tuners
- name: uSANpTV
types:
- GR
- BS
- CS
command: recfsusb2n --b25 --tsid <channel> - -
isDisabled: false
これでmirakurunで利用可能です。チャンネル設定等は前記事を参照ください。
あとがき
USBのチューナーなので、Raspberry pi等の小型PCでも使えるので別荘に置いて省電力で録画する、みたいな使い方もできるのでは無いでしょうか
PT3が安定しすぎなので、あまりさんぱくん外出をいじれてない今日この頃です(笑)