車の構造上 車の屋根は弱く柔らかい

投稿日: 作成者: shakoire


一昨日の記事で書いた田舎道などの見通しのいい交差点で発生する目の錯覚が引き起こす事故に関係することですが、猛スピードで交差点で衝突した事故でもないのに親子が死傷する事故になったケースを例を元に車の構造について解説してみたいと思います。

 

警察車両と一般車両が交差点で接触事故が発生したのですが、警察車両は緊急走行をしていたのでなく、通常走行だったので法定速度を大幅に超過するような運転をしていなかったのに何故死亡事故になったのか?

 

それは最近の車の構造上 一番弱い部分に大きな損傷があったからです。

 

事故の写真はコチラになります。

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写真をご覧いただくと運転席の屋根の部分が大きく凹んでいるのが確認できます。

 

一昔前の車はフレームボディといってタイヤやエンジンを取り付けている部分ですが、理解しやすく説明すると魚の骨のような骨格に取り付けられており、その上にボディーを載せているのがフレームボディの車両となります。

 

フレームボディの写真がコチラになります。

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フレームボディは、現在もトラックなどの大型車両に採用されています。

 

それに対して最近の車はモノコックボディといって薄い鉄板を曲げたりして強度を強めて車体全体をフレームとしています。

 

モノコックボディの写真はコチラになります。

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モノコックボディのメリットは重たいフレーム(シャーシー)を使わないことで軽量化ができることと、衝撃吸収には向いているのです。

 

エンジンやトランクなどの部分は事故が発生するとわざとグチャグチャに潰れるようになっており、潰れることでクッションとなるので、車内に乗っている人への衝撃を緩和させています。

 

日本車はグチャグチャに潰れるから安全上問題がある!

こう信じている人も多いかと思いますが、実際は潰れることで衝撃吸収をしているので、事故で外見が潰れない車両の方が危ないのです。

 

ただモノコックボディが潰れやすいといってもエンジンやトランクルーム程度で、室内空間の部分は非常に強くなっており、私も様々な事故車両を見てきましたが、室内まで潰れているような事故車両は皆無に近いほど見たことがありません。

 

今回の事故では悲運にも交差点で衝突した後に車が横転して、運転席部分が電柱に接触してしまったのです。

 

実はモノコックボディの最大の弱点は天井なのです。

 

衝突した時にエンジンルームやトランクルームが潰れるのと同時に車の屋根も柔らかくして車全体で衝撃吸収をしています。

 

今回の死亡事故ではモノコックボディの最大の弱点である車の屋根が接触事故を起こした時に車が転倒して電柱に接触したからなのです。

 

レーシングカーなどはこのような事故も想定し、車が転倒しても屋根が潰れないようにロールバーという下の写真の青い鉄パイプを取り付けています。

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※一般車両ではこのようなロールバーを装着することは陸運事務所に改造申請しなければ違法となります。

 

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