獣医学部新設 首相が加計学園の計画を知ったのはいつ?

安倍総理大臣は24日の予算委員会で、加計学園の獣医学部新設の計画について初めて知ったのは、加計学園が国家戦略特区による事業者に選定された、ことし1月20日と説明しました。これについて、25日、野党から追及する質問が相次ぎ、安倍総理大臣は過去の答弁に誤りがあったとして謝罪しました。
野党が指摘したのは過去に安倍総理大臣が行った答弁内容との食い違いです。

5月9日の参議院予算委員会で、安倍総理大臣は、自由党の森ゆうこ議員が今治市で加計理事長が国家戦略特区による獣医学部新設の希望を持っていることを知っていたかと質問したのに対し、「特区に申請した段階において、この説明を受けますので、その段階で、総理大臣として知りえた」と述べています。

加計学園が事業者として申請したのは、ことし1月10日であり、安倍総理大臣の24日の答弁より10日早いことになります。

また、先月5日の参議院の決算委員会では、民進党の平山佐知子議員から、大親友の加計理事長が獣医学部新設の思いがあったことはご存じだったかと聞かれると、安倍総理大臣は「国家戦略特区に今治市とともに申請を出された段階で承知をした」と説明していました。

今治市の提案と同じ時期ということになると、平成27年6月となり、これも24日の答弁と矛盾します。

さらに先月16日の参議院の予算委員会で、社民党の福島みずほ議員から加計学園が獣医学部新設を目指しているのを知ったのはいつかと問われたのに対し、安倍総理大臣は構造改革特区において、加計学園が申請していたことは知っていたとしたうえで、「国家戦略特区に申請すれば、私の知りえるところになる」と答弁していました。

これも、構造改革特区の時点から知っていたとすれば、平成19年度、また、国家戦略特区に加計学園が事業者として申請した時点であれば、ことし1月10日ということになり、いずれも24日の答弁とは食い違います。

24日の答弁と食い違う過去の答弁

野党が指摘したのは過去に安倍総理大臣が行った答弁内容との食い違いです。

5月9日の参議院予算委員会で、安倍総理大臣は、自由党の森ゆうこ議員が今治市で加計理事長が国家戦略特区による獣医学部新設の希望を持っていることを知っていたかと質問したのに対し、「特区に申請した段階において、この説明を受けますので、その段階で、総理大臣として知りえた」と述べています。

加計学園が事業者として申請したのは、ことし1月10日であり、安倍総理大臣の24日の答弁より10日早いことになります。

また、先月5日の参議院の決算委員会では、民進党の平山佐知子議員から、大親友の加計理事長が獣医学部新設の思いがあったことはご存じだったかと聞かれると、安倍総理大臣は「国家戦略特区に今治市とともに申請を出された段階で承知をした」と説明していました。

今治市の提案と同じ時期ということになると、平成27年6月となり、これも24日の答弁と矛盾します。

さらに先月16日の参議院の予算委員会で、社民党の福島みずほ議員から加計学園が獣医学部新設を目指しているのを知ったのはいつかと問われたのに対し、安倍総理大臣は構造改革特区において、加計学園が申請していたことは知っていたとしたうえで、「国家戦略特区に申請すれば、私の知りえるところになる」と答弁していました。

これも、構造改革特区の時点から知っていたとすれば、平成19年度、また、国家戦略特区に加計学園が事業者として申請した時点であれば、ことし1月10日ということになり、いずれも24日の答弁とは食い違います。

「少し混同があった おわびしなければならない」

これらの矛盾について、25日の予算委員会で安倍総理大臣は今治市が国家戦略特区に基づき、獣医学部新設を提案していることは以前より知っていたが、獣医学部新設の事業者が加計学園であることは最終的に公募によって、加計学園が選定される、ことし1月20日までに知らなかったと改めて弁明しました。

そのうえで、過去の答弁との矛盾については、「加計学園と今治市とで、少し混同があったことは、おわびしなければならない」と謝罪しました。

3大臣が加計理事長と面会

また、25日の質疑では、加計学園の理事長が去年8月23日に山本農林水産大臣、9月6日に松野文部科学大臣、さらに9月7日に山本地方創生担当大臣とそれぞれ面会していたことが取り上げられました。

この3人は、いずれも国家戦略特区に基づく獣医学部新設に関わる省庁の大臣で、25日の答弁で、松野文部科学大臣を除く2人の大臣は面会した時に獣医学部新設の話題が出たと証言しました。

また、24日の委員会で安倍総理大臣は去年7月以降、加計学園の理事長と、確認できるだけでも6回、面会していたことがわかっています。

野党はこうした事実を踏まえて、安倍総理大臣がこの時期、本当に加計学園の獣医学部新設について知らなかったのかとただしましたが、安倍総理大臣は「ことし1月20日に初めて知った」と24日の答弁を繰り返しました。

元総理大臣秘書官ら今治市の担当者との面会否定

獣医学部新設をめぐり、今治市職員が平成27年4月2日に官邸を訪問した時、面会した相手が誰だったのか、25日も質問が相次ぎました。

これについては、今治市が当時、職員2人が官邸を訪ねた時の記録を面会相手を黒塗りにして情報公開しています。この時期は、今治市が国家戦略特区となるために提案書を出す2か月ほど前です。

この面会について、安倍総理大臣と萩生田官房副長官は、それぞれみずからの関わりを否定し、24日、当時の柳瀬唯夫総理大臣秘書官も「記憶がありません」と述べました。

25日も野党から同じ質問がされましたが、柳瀬元総理大臣秘書官は「記憶の限り」としたうえで、今治市の担当者と会ったことはないと繰り返し、答弁しました。

一方、同じ質問を受けた和泉総理大臣補佐官は「お会いしたことはありません」と明確にみずからの関わりを否定しました。

加計学園と京都産業大の対応 違ったのでは?

25日は加計学園と同じく、獣医学部新設を計画していた京都産業大学への対応が加計学園と違ったのではないかという質問がありました。

文部科学省は加計学園が事業者に選定された、ことし1月より2か月前の去年11月に、獣医学部新設に必要な教育内容や財政面などについて電話で伝えたとする内容をメモにしていました。

一方、京都産業大学については、去年10月に開かれた国家戦略特区のワーキンググループの議事要旨を基に、野党から文部科学省に事前に相談することもできず、門前払いされていたと指摘されました。

これについて、松野文部科学大臣は「事前に相談に乗ることは過去の事例もある。京都産業大学については提案そのものを知らなかった」と答弁しました。