先日お会いした浅岡先生から、「これだよ!」と勧められたのがこれ。
正直、朝比奈御大のCDは多すぎて、さすがに全て買っている訳ではない。
『ブル3』はもちろんクナッパーツブッシュの名盤を持っているが、良く解らなくて、なかなかハマれなかった。
でもまぁ、そこまでおっしゃるなら、と思って、購入。
凄い。
まず演奏の完成度が凄い。
オケのミスが全くないし、何より響きが濃厚かつ透明。ブルックナーの音響としては理想的なのではないだろうか?
朝比奈御大のブルックナーのベスト演奏だとも言える。
そしてブルックナーがブラームス他「ロマン派」の影響を受けながら、そこから離れ、自分の世界を築こうとしているのが伝わってくる。
僕はブルックナーを「ロマン派」に加えるのは反対だ。全然違う書法で曲を書いているからだ。
多少なりともベートーヴェンの影響を引きずっているのが(ソナタ形式とか)ロマン派だと思うのだが、ブルックナーはそれが全くないし。
・・・ていうところら辺がね、やはり3番は中途半端というか、未完成なんだよなぁ。
モティーフに魅力がそこまでなくて、心に残らない。
良く「ブロック型」と言われる構成も、ええ?こう展開するかぁ?と、チグハグ感が否めない。
まぁそれを前衛性と言うならばまだ解るのだが・・・。
やはりブルックナーのベスト3は5、7、8、9番、このいずれかだろう。
ただし7番は頭の三つの楽章が良すぎるのだが、フィナーレだけは良くないので、僕が選ぶなら5、8、9番かな。