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武富製薬の社長の一人娘の小百合さん 覚えてるか?
(島谷)はい。
縁談がある お前との。え…?
どうしても 今回の縁談は断るわけにはいかないんだ。
♪「Pon pon pon…」
♪「愛の言葉をリル」
♪「シャイなハートがドキドキ」
♪「あの日観てた“サウンド・オブ・ミュージック”」
♪「瞼閉じれば蘇る」
♪「幼い頃の大事な 宝物だけは」
♪「ずっと この胸に抱きしめて来たのさ… Ah ah」
♪「夜の酒場で Lonely」
♪「あの娘 今頃どうしてる?」
♪「さなぎは今、 蝶になって」
♪「きっと誰かの腕の中」
♪「肩寄せ合い 声合わせて」
♪「希望に燃える 恋の歌」
(みね子)そうでしたか…。
(由香)うん…。
そうだったのよ。
♪~
あの…。(由香)はい。
どんな人だったですか?島谷さんのお父さん。
えっ?
そこが気になるの?
優しそうな人でしたか?
ん?
うん まぁ そんな 嫌な金持ちみたいな感じではなかったかな。
あっ まぁ優しそうではあったかも。
そっか…。
そうですか… そうですよね。
え…?
いや そこだけ? ほかにないの?
あぁ… ハハハ…。
あの…。はい。
由香さんは何で 私に教えてくれたんですか?
えっ? 何でって…。
あれよ あれ。
つまりね 私は嫌いなのよ。嫌いなの。
今どきさ恋愛をね 自由にできない親の決めたとおりにしなきゃいけないみたいなことがさ嫌いなの 許せないの。
何で 親とか家のために 子どもが我慢しなきゃいけないのよ。
おかしいでしょ そんなの!だからさ。だから?
だから あれよあんたに そういうことに負けてほしくないからよ。
頑張ってほしいからよ。だって おかしいでしょ?明治や大正じゃあるまいし庶民がねそうやって理不尽なことをね我慢して受け入れちゃうから社会は変わらないのよ!
(邦子)そういうことなの?
(由香)だから…。ありがとうございます。
何が?
私のこど 考えて下さって…。え…?
ありがとうございます。
いや お礼とか言われると困っちゃうんだよなぁ。
フフフ…。
そろそろ 帰ります。
いいわよ。
私が無理やり連れてきたんだから。
ですよね?は?
では ごちそうさまでした。(邦子)気を付けてね。
はい おやすみなさい。(邦子)おやすみ。
(ため息)
何だか疲れた…。
何? 邦子さん。
もう いいんじゃないのかなそろそろ。
私に 家に戻れとかいうこと?
いや お酒の話だけど。もういいんじゃないの?飲み過ぎですよ。
・(ドアの開閉音)
♪~
(ドアが開く音)(時子)ただいまぁ。
お帰りぃ。
ご苦労さまでした。はい。
あ~ 疲れだ。
あっ!何?
ほら お土産。あら ありがとう。
稽古場の近くで売ってたんだけどみね子と食べようと思ってさ。
はい!あら ありがとう。
♪~
うん!うまいね!うまいね!
(2人)う~ん。
あっ!
何? プレゼントされたネックレスなんか握りしめちゃって~。
こらこら このこの!もう! 何よ それ もう!
よし! ちょっと誘ってパッと繰り出すかぁ 夜の街に!
・ダメ ダメ ダメ!
今 島谷さん 卒業論文取りかかってんだから 絶対ダメ!
あ…。もう座って。
そうだった こりゃ 失敬!
ねえ 何? あんた さっきからおじさんみたいなしゃべり方になってるよ。
えっ? そうだった? やっぱし?
今日 ずっとおじさんの役 やってたんだよね。
フフフ! あんたが?
それがさ 聞いてくれる?うん 聞くよ。
最近ね稽古に来てくれる演出の人がね何か よく分かんないんだよ。新進気鋭の演出の人らしいんだけどねとにかぐ 言ってるこどが本当に分がんないの。
「固定観念に縛られんな!頭を自由にしろ!」っつうんだけどね。自由?
最初はね 無実なのに夫殺しの裁判を受けている新妻っていう設定で始まったんだけどね。
回想 「お前がやったんだろう!」。
「いいえ 私ではありません。無実です。私には そんなことする理由がありません!」。
はぁ…それだけでも 何か すごいね。
こっからだよ! 突然さ「いや 君は殺していたんだ」ってなって「えっ?」ってなるでしょ?と思ったら「男を10人も殺している女なんだ」って。
「えっ?」。
「君は若くは見せているが実は 80歳なんだ」。
回想 80歳なんだよ 80歳。80歳?そう!
今日は 「君は男だ。女装しているが 実は中年の男性なんだ」と言われて。
回想 もう 女装した男なんだっていうふうに思ってもらって。
今日の最後は「女装をしていないただの中年の男だ!」とか言われてさ。
回想 いやいやもう女装なんかしてないんだよ。
男なんだよ 男なの こいつは。
それで おじさんになってたんだ。そうなんだよ。
もうね 必死だよ。必死で食らいついてる。
そうけ…。
まぁ 難しいこどは分がんないけど楽しそうだね。
そう?うん。
うん まぁね。
自分じゃない人になれんだもんね。
そうだね。
そうだよね。いいね それって。
みね子どんな人になりたいとがあんの?
う~ん…。
お金持ぢのお嬢さんがいいな。
へぇ。
そんでね親の決めた結婚相手がいんの。
でも その人はすんごいすてきな人なの。
実は 昔っからすてきな人だなって思ってたの。
ほぉ 少女漫画だね。
フフフ! んだね。そんなの憧れる。
へぇ ちょっとやってみ。
えっ?ほら!
立って! ほらほら!
はい。(手をたたく音)
「ごきげんよう 時子さん」。どうよ?
う~ん…。
茨城の田舎娘だね。
フフフ! 何だよ それ。
ダメか…。
♪~
オススメって何ですか?そうですねぇ。
え~エビマカロニグラタンとか どうですか?
体も あったまりますしほくほくですよ。
おいしそう!はい!
それで厨房から 「ビーコロあがったぞ」って聞こえてきて急いで運ぼうとしたら足が滑っちゃってお皿ごと 飛んでいっちゃって「もうダメだ!」って思ってたら向こうから 高子さんがすんごい速さでやって来てお皿を こうやって受け止めたんです。
<お父さん…。あれから 島谷さんからは何もありません。何もありません…>
♪~
おはようございます。
おはようございます。
ひょっとしてもう書き上がったんですか?卒業論文。
うん 完成した。今日 提出しに行く。
おめでとうございます。お疲れさまでした。
うん ありがとう。フフフ!
自信のほどは?自信は…。
あります。わっ そうなんだ。
みね子ちゃん。はい。
今夜 お店 終わったら…。
話があるんだ。 大丈夫かな?
はい。
うん。
じゃ 今夜。
はい…。じゃ。
<お父さん…。私の恋が終わろうとしています>
来週の「ひよっこ」はえ~ みね子が…。
まさかの 女優デビュー!?
(世津子)好きなお父さんに言うつもりで言ってごらん。
責めるつもりなんて全然ないがら…。
川本世津子と どこへ行く?みね子の恋は どこへ行く~?
「夜のきまぐれショー」!