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【白黒と灰 復讐の三角】 作者:里暗
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白黒と灰の崩落

※この話はうごくメモ帳3Dにてリアンの出しているSplatoon小説 「本当のヒーローって何…?」の続編及び過去などの物語です。見ていない方はあまり閲覧を推奨しません。クオリティは低いですが是非見てください。


「オクロック…どうだよ?」
「繋がった。まだ彼奴は生きていた。」
「ったく…私達はまだ刑を受けてないからこのチャンスにかけるしかないわね。」
タコの種族であるオクロック、イナキ、イタチがスプラッシュ師団の牢で話し合っている。
「彼奴は確か5年前にとある少女に殺人未遂、そして兄弟から絶縁させた。」
オクロックは語り出す。
「詳しいんだね。グレーちゃんのこと。」
イナキが言う。彼女の言うグレーちゃんとは、タコの種族の少女のことである。
「そして7年前…彼奴はイカだったな。」
「グレーが?性転換ならぬ種族転換?そんなことできんのか?」
「できるらしいぜ。」
「…うんうん。確かあの時はあの師団のチャラ男…ガイラって奴とやってたっぽいよ。」
ガイラとはスプラッシュ師団の大佐…みたいな存在で指揮をとったりすることがある信頼されてるイカである。イナキ曰くチャラ男らしいが…
「何をしてたんだ彼奴は?」
「そりゃ…男と女での……ね?」
「んなことどうでもいい。7年前と言ったらグレーはいくつだ?」
「13歳じゃない?5年前は15歳だった気がするし。…今は20…私達より少し低いね。」
「そん時あのヘタレ野郎は?」
「呼び名が酷いわね…。ガイラはあの時14歳。今は21歳、超いい男になる年齢じゃん。」
「惚れてんの?」
「それはないわね。」
「とにかく…これで一致したな。」
「一致したな。」
イタチが牢の警備員に声かける。
「なあそこの兄ィ」
「…お前らか。どうした。」
警備員は槍を構える。
「物騒だな。脱獄なんてできるわけねえって思ってるから安心しろ。」
「当然だ。ここからは出られん。それより何の用だ。」
「ガイラって奴、呼んでくれ。」
「ガイラさんか…ガイラさんに何の用だ?あの人は今ダークコアにいる。」
「なんでだよ。」
ダークコアはオクタ・ダークのアジト的存在。…ちなみに牢にいるこの3人はオクタ・ダークの一味である。
「…ガイラさんは行方不明のサペルを追っている。」
「サペルの姉ェか。レイルの母って奴の。生きてるわけねえと思うがな。」
警備員の言うサペルとはオクタ・ダークのリーダーで女性のタコ。元は発明家だったらしいが、ダークコアの暴走と同時に行方不明。レイルはサペルの娘のイカ。父がイカで母がタコの間に生まれたイカの質の方が強い。
「…サペルがまた悪さをしたら此方もまた困るのでな。…あの時捕らえられていれば…。」
「ふーん…。とにかくガイラって奴帰ってきたら俺らんとこ来るように教えてくれ。」
「…わかった。」

「さて、そうは言ったものの私達どうするの。」
「知らね。」
「そういやグレーが崩壊させたっていう…少女って何?」
「あぁ…あれはな…」




今から5年前の夏のことである…
「お兄ちゃんっ!」
「ホワイト…おかえり。」
「ただいま!今日はナワバリバトルいっぱい勝てたよ!」
「そっか、おめでとう!」
二人の少女と少年、イカライダーホワイトを着ている妹ホワイトと対としてイカライダーブラックを着ている兄のブラックである。美女美男。歳は7年も離れているらしい。ホワイトは13歳でこれからの中学生という感じでブラックは大学生。二人は母親が病気な中でも毎日が幸せそうだった。いっそこんな生活が毎日続けば…と思っていた二人であったが…
ある日のこと、ハイカラシティでタコの女の子が泣いてるのをホワイトは見つけた。
「うぅっ…ぐすっ…」
「ひっ…タコっ…」
ホワイトは戸惑う。
「うぅっ…あなた…私が見えるの…?」
「見えるけど…タコの子…?幽霊…?」
「…いや、ちゃんとここにいる…ぐすっ……」
「えっと…何があったの…?」
「私…マスターに追放されて…それで…」
タコの少女は語り出す。
「…そんなことが…」
「行き先も、家も…奪われたの…」
「…酷い…」
ホワイトは少し拳を握る。
「ぐすっ…どうしよう…」
「…私のところ…来る…?」
「えっ…?」
「…えっと…ほら…家に案内するって言うか…その…」
「………」

「ってことで連れてきたんだけど…」
タコの子を連れてホワイトはブラックに言う。
「タコか…何か悪いことしたら許さんからな…?」
「ひっ…」
「お兄ちゃん、怖いよ…」
「…すまん…別に大丈夫だが…俺はバイトとかあるしあんまり手つけられない。ホワイト、頼むぞ?」
「ありがとう、お兄ちゃん。」
こうして二人の生活に一人の別の種族が来る。
「私はホワイト、よろしくねっ。あっ、お兄ちゃんはブラックっていうの。…きみは?」
「グレー…です。」
「グレーちゃんか…なんだか私達揃って白黒と灰…みたいだね♪」
「そ、そうだね…」
「大丈夫!臆病にならなくていいよ!」
「あっ、ありがとう。」
少し日が経ち、気がつくと、ホワイトとグレーはいつの間にか仲良くなっていった。ナワバリバトルにグレーも変装して行ったり、テレビ見て騒いでブラックに怒られたり…なんだかんだ日常が続いている3人だった。
…だが現実は激辛だった。不幸は突然やってくる。ある日の深夜のこと…
「今日何見るー?」
「映画見よ!今日金曜ロードショーだよ!」
「見る見る!」
ホワイトとグレーは二人でテレビを見ていた。ブラックは課題を進めるつつも少し微笑んでいた。
グレーのスマホに電話がかかる。
「電話…?少し出てくるね!」
「わかった。」
グレーは席を外して別室で電話を受ける。
「はい…もしもし…?」
「何してるのグレー?」
グレーの言うマスターからの電話だった。
「マスター!?…あなたにはもう命令を下されたくはないです…私をあんな風にして…」
「…頑固だね。だからブサイクなのよ。」
グレーの聞いている声はまさかのサペルだった。
「うるさいですよっ…!」
「…上司に向かってその口調は何よ?」
「あなたはもう上司じゃない…私は一人…いや、ホワイトちゃん達と生きます…!」
「…ホワイトちゃん?あぁ…あんた…イカと仲良くなっちゃったのね。」
グレーは少し笑う。
「…私の勝手です…居場所のない私を救ってくれたのはあの子です…」
「…へぇ…」
「だからもう…電話をかけないでください!ブロックしますよ…!?」
「…今私があなたの影から見てるとしても?」
「えっ…」
グレーは自分の影を見た。そこにはサペルがうつっていた。
「うあああっ!?」
グレーは驚き、スマホを落とす。
「私が手下の影に忍べること忘れちゃった?」
「ぐっ…」
「そんなことより今の反抗は何…?直接殺されたいの?」
「ひっ…やめて…ください…」
「なら…ホワイトちゃんって子だっけ?その女の子を殺して。」
「えっ…」
「…まあ直接殺すなんてあの兄貴がいるから無理だろうし」
「うっ…て言うかなんでお兄ちゃんがいることを…?」
「知ってるわよ。ずっと見てたわ。そんなことより毒薬あげるからさ、あの子の飲むお茶に入れてあげてよ。面白いことになるかもォ…♡」
サペルが少し恐ろしい目をする。
「…それはできません…」
「じゃあ私に直接殺されたいの?」
「うっ…」
「もっとも、私は影にいるとき、影の持ち主以外見えないから証拠なんて作れないから自殺と見られるかもね…♡」
「…それは…」
「躊躇わずに死ぬか殺すか選べって言ってるのよッ!」
「ひっ…」
サペルは逆ギレする。グレーは逆らえず、サペルに毒薬をもらう。
「はいじゃあ殺してきてね。私はこれから将軍と相手しないと行けないからバイバーイ。」
サペルは影から消える。
「……ホワイトちゃん…ごめん…」
グレーは立ち上がり、ホワイトの元に戻る。
「おかえり!グレーちゃん!今見どころだよ!」
「うん…」
ホワイトが夢中になっている隙にグレーはホワイトのお茶に毒薬を入れた。ホワイトは全く気づいていない。兄のブラックもこの時は課題をしているゆえに見ていなかった。
そして時間が経ち、寝る時間になる。
「ふぁぁ…もう眠いや…寝よ…」
ホワイトは毒薬入りのお茶を飲みきっていた。…まだ効果は出ていないようだ。
「うっ…うん…おやすみ…」
グレーとホワイトは寝る。ブラックはまだ起きていた。

「ゴホッ…ゴホッ…」
寝ているホワイトが咳をする。
「…ホワイトが咳…ただの風邪だといいが…」
ブラックはまだ起きていた。課題は終わっているが友達との連絡で忙しかった。
「…ゴホッ…ゴホッ…」
「……(効果…出たかな…)」
グレーは寝ているフリをしていた。
「…咳続いてるな…」
ブラックはホワイトの額に手を当てる。
「あつっ…!?」
「ゴホッ…ゴホッ…身体が…熱い…ゴホッ…」
ようやく異変に気付いた。
「ホワイト!?おい!?どうした…!?」
「咳が…止まらない…身体が…熱い…」
ホワイトが苦しみだす。
「くっ…体温は…」
ブラックは体温計でホワイトの熱を測る。
「…嘘だろ…39度超え…こんなのホワイトが中学生なってから初めてだ…」
「…助けて…お兄ちゃん…ゴホッ…ゴホッ…」
ホワイトは手の感覚が少し薄れている。
「待ってろ…助けてやる…」
ブラックは薬を用意する。実はブラックは医学部の大学に入っていて医療には少し詳しい。
「ゴホッ…ゴホッ……もし薬がきかなかったら…死んじゃうのかな…」
ホワイトが死に物狂いで呟く。
「馬鹿言うな…お前は俺が助ける…」
「…助けて…」
「…だめだ…熱が少しずつだが上がっていく…」
「…ごめん…お兄…ちゃん…」
ホワイトは目を閉じてしまう。
「ホワイト…!?おい…ホワイト…!?目を開けろ…おい…!!」
ブラックはホワイトを揺する。
「…やめろ…俺より先に死ぬのは…」
「…なんで…」
グレーが立ち上がる。
「グレー…どうした…」
グレーは泣きそうになっている。
「……ホワイトちゃんは…どうしたの…」
「…わからない…たぶん急性の毒にやられたと思う…。手強い蚊に刺されたか…?」
「…そう…ですよね…この時期蚊が多いし…」
原因に気づかないブラックにグレーは嘘をついてしまった。
「…とりあえずこの解毒剤を…」
ブラックはホワイトに解毒剤を飲ませる。
「っ…はぁ…はぁ…治って…きた…」
ホワイトが目を開ける。
「ホワイトっ!気付いたか…?」
「ホワイトちゃんっ…」
「……ゴホッ…ゴホッ……」
「……安静にしてるんだぞ…ホワイト…」
「…うん…」
ホワイトは再び眠る。
「…グレー…」
「はっ…はい…」
「…お前さっき…なんで…って言ったよな…」
「えっ…」
ブラックは目付きを変える。
「どう言う意味だ…?」
「それは…」
「…言え。」
「…毒薬…マスターに命令されて…入れた…」
「ふざけるなっ…!」
ブラックはグレーに殴りかかりそうになる。
「ひっ…」
「…それがお前のやり方か…」
「……殺されたく…なかった…殺そうとも思わなかった…でも…マスターは…神に近い存在…人を自殺に見せるような殺人も簡単にしてしまう…ホワイトちゃんに自殺したって言う認識をされる…それが…嫌だった…」
「…ホワイトにできた数少ない友達…だもんな…」
「………」
「…俺が医療のこと詳しくなかったら…今頃ホワイトは…」
「………」
「…俺に付き合え。」
「…えっ…」
「罪償いだ。明日朝5時には出発する。荷物を全て持ってな…」
「…それって…」
「馬鹿野郎、お前の想像してることじゃねえ。早く準備しろ。」
「あっ…わかっt…わかりました…」
時刻は既に夜の1時を回っていた。

その日以来、ホワイトの前にグレーとブラックが現れることはなかった。その後に目覚めたホワイトは嘆き、悲しみ、泣き出す。兄と友達、同時に失った。グレーが殺人未遂をしたことは知っていないが…同時に消えたとなると…ホワイトはそうとしか予想していなかった。同時に悲劇が起こり、母親が病気で他界する。3人の信頼と愛を同時に…奪われた。

ブラックはグレーに罪償いをさせる為にタコツボバレーに彼女を贈る。グレーはマスターの元に戻ろうとはせず、一人でひっそり何処かで生きている。贈ったブラックは大学への出席が止まり、別の場所で暮らすことになる。ホワイトをグレーから守りきれなかった自分への償いだった。だがこれがホワイトに打撃を与えることを知らず。彼は哀れだった。




オクロックは語るのをやめた。
「って言う話だ。」
「長いわよ。」
「長いな。」
「そうこうしてる間に夜が来たな。…ガイラは来たか?」
彼らが噂をしていると…
「…僕の名前を呼ぶのは君らか。」
ガイラが来る。牢の前に立つ。
「ガイラっつったな。呼んですまねえな。」
「ふっ…どうせここから出られないし後数週間で君らも軍からの判決が下るからなぁ…。君らとはおさらばかもしれないし、無期懲役になったり…ふふふ…」
「言わせておいてたらてめぇ…」
「…ごめんね。僕少し煽るのが過ぎているようで…。」
イタチは牢の鉄格子を叩く。
「転生したら真っ先に殺す…」
「…イタチ落ち着け。…俺がガイラ…お前を呼んだのは訳がある。」
「ふっ…なんだい?」
「お前7年前…何してた?」
「……」
ガイラは黙り込む。
「…言えないのか?俺はお前が何をしてるかおおよそ知ってるぞ。」
「…何故聞く?意味がないじゃないか。」
「…直接聞いておくからこそ意味がある。」
「学生だよ。7年前。14歳。」
「……そん時お前…彼女とかと…付き合っていたか?」
「…彼女、いたよ。」
「名前は?」
「なんで聞くの。変態?」
「いいから言え。どうせもう別れただろ?」
「別れてないよ。いや、1回だけ別れたけどまた復縁したって言う感じ?でも…ここ…っていうか近くにはもういないかな。」
「…どう言うことだ?」
「…しつこいよ。オクロック、君に彼女できない理由はそのしつこさにあるんだよ。」
「…どうでもいいだろ…?…彼女の名前を言え。」
「…グレーちゃん。いやぁ…あの時は可愛かったなぁ…。」
「…やっぱりな。」
黙っていたイナキが立ち上がる。
「ちょっとオクロック!あんたが話してたグレーとこいつの話してるグレー、タコとイカで全然違うじゃない!?」
「さっきも言ったはずだ。って言うか自分で言ってなかったか?種族転換って。」
「うっ…」
「えっ?」
ガイラは少し疑問に思う。
「あん?どうしたガイラ。」
「…グレーちゃんがタコ?」
「…は?お前、彼奴がタコでありイカでもあるっての知らないのか?」
「知らないよ。」
「…え?」
「っていうかそれ…本当?」
「…まあ俺らが話す理屈だとそう言うもんだが。」
「…あぁ…そうか…」
ガイラは少し絶望顔をする。
「……何か勘違いしてないか?オクロック」
「…は?」
「……いや、なんでもない。…用はそれだけかい?」
「…あぁ…」
「…まあこんな話をしたところで君らに得はないと思うし生きては返さん…とかそんなドラマの悪役みたいなことはしないよ。」
「まぁ私は何があるかさっぱりだし…」
「…俺も…イカとタコになれるから…って、特別視はしてるがあんまよくわかんないし…」
「…イナキとイタチはわかってないが俺には得だな。とりあえずお前が彼女にグレーを持つことはわかった。」
「…得したのかい。まあどうでもいいや。じゃあ明日早いし僕は帰るね。またね。」
ガイラは去って言った。

「オクロック?何かわかったの?」
「いや何も」
「…だよね」
「…だが、面白くなりそうだな。」
「…そうかい。」

ガイラは仕事場に戻る。
「今になって何故グレーのことを…」
「そんな気にすることないんじゃないんですか…?」
「…まあそうだよな。レインちゃん。」
レイン…現在ガイラと一緒の仕事についているイカの女性。ガイラより一つ若く、敬語を使っている。
「言わせておけばいいと思いますよ…過去の話なんて蒸し返してもいいことばっかりじゃないですし…」
「…そうだよね。レインちゃんは…彼氏いるんだっけ?」
「いや、いないですけど…先輩は…って昔いたんですよね…すいません…」
「……」
「じゃあ今日は私たち二人しかいないので、私が見ているので先輩休んでていいですよ。」
「…そうかい?ありがとう。じゃあおやすみ…」
ガイラは睡眠に入る。


夜中のこと…
「……」
謎の人物がスプラッシュ師団の施設に近づく。
「…ん?なんか近づいてくる…」
起きていたレインは窓から覗く。
「…暗くてよく見えな…」
レインは懐中電灯を使う。すると…
「…っ!?まさか…あの人は…!?」
レインが見た人物とは…?


続く…
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