『ウチの夫』はまだマシ? クリエイターが遭遇したトンデモ客3選
毎週、視聴者に「仕事ができるとは?」と問い続ける『ウチの夫は仕事ができない』。作中でクリエイターが酷い目にあっているが、こういうことはよくあることのようだ。
②「それなりでいい」と聞いていたのに、引き受けたらどんどん要求が上がる
「自分は全国各地を取材する旅専門の写真家・エッセイストをしています。そのため、地方自治体から『来てほしい』と呼ばれることも多いのですが、あるとき、とあるイベントのショーに有志として参加することになりました。
一度個人的にお世話になった人の誘いだからOKしたんですが、これが大きな間違いで……最初は『何回か練習すれば人前には出られるようになるから』と聞いていたし、軽いルポ記事になればいいかと思ったから引き受けたんですけど、いざ参加してみると練習はガチそのもの。二ヶ月間週に何度も練習に参加して、挙句の果てには現地で選抜試験まで受けることに(笑)
しかも、『そんなに事前に時間は食わないから』と言われていたので、『宿代と交通費だけ』しかもらっていなかったんです……練習に出ていたせいでその間仕事の時間はかなり削られ、結果的にそのときは収入も減りましたね。
ちなみに、現地では私と同じような境遇で来た人が何人もいました。そして、私は気づくんです。そのお世話になった人が、クリエイターを本当に軽く見ていて、私たちみたいな人間から搾取することで利益を出していることを……」(30代・女性)
③技術へのリスペクトがなく「仕事にかかった時間」で対価を決める
「駆け出しのデザイナーだった頃、とある企業のロゴを作ったことがあります。でも、古い会社なのかクリエイティブなことに対するリスペクトがまったくなくて……。
ギャラの計算方法もそのひとつでした。『作るのに何時間くらいかかった?』と言われ、『30時間くらいですね』と言ったら『じゃあ3万円ね』と言われたんです。
なにかを生み出すには、幼いころからの訓練と絶え間ないインプット・アウトプットが必要です。だから、たとえ30時間のプロジェクトでも、アイデアの良さ・新しさにお金をはらってもらいたいんです。時間給ではなくて。
でも、こういうすれ違いは有名な企業を相手にしてもよくあることなんです。少しでも、クリエイションに対するリスペクトが増してくれればいいのですが……」(40代・男性)
このような目に日々遭っているクリエイターからすると、嘘をつかずに本当の納期を伝える司は、じつはかなり信頼できる発注主なのかもしれない。
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(文/しらべぇ編集部・尾道えぐ美)
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