北朝鮮「ICBM 2回目の発射実験に成功」
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北朝鮮は28日夜発射した弾道ミサイルについて、29日、国営メディアを通じて「キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長の立ち会いのもと、ICBM=大陸間弾道ミサイル『火星14型』の2回目の発射実験に成功した」と発表し、奇襲能力を誇示するとともにアメリカ本土全域を射程に収めたと主張しました。
北朝鮮は28日夜11時41分ごろ、北部のチャガン(慈江)道ムピョンリ(舞坪里)から弾道ミサイル1発を日本海に向けて発射し、ミサイルは45分程度飛行して日本の排他的経済水域内に落下したと見られています。
これについて北朝鮮は29日午前、国営メディアを通じて「キム・ジョンウン朝鮮労働委員長の立ち会いのもと、ICBM=大陸間弾道ミサイル『火星14型』の2回目の発射実験に成功した」と発表しました。
発射は、最大の射程を想定して通常より角度をつけて高く打ち上げる「ロフテッド軌道」が用いられ、「高度が3724.9キロに達し、飛距離998キロを47分12秒で飛行した」としたうえで、弾頭部分の大気圏への再突入技術が改めて証明されたとしています。
キム委員長は朝鮮戦争の休戦から64年となった27日、発射の命令書にサインをしたとしており、「ICBMを奇襲発射できる能力が誇示され、アメリカ本土全域がわれわれの射程圏内にあることがはっきりした」と述べたということです。
北朝鮮がICBMと主張する「火星14型」の発射実験を行ったと発表したのは今月4日以来2回目で、前回に比べて高度が900キロ以上伸びるなどICBMの開発が一段と進んでいるとアピールすることで、トランプ政権を強くけん制するとともに国威の発揚を図る狙いもあると見られます。
これについて北朝鮮は29日午前、国営メディアを通じて「キム・ジョンウン朝鮮労働委員長の立ち会いのもと、ICBM=大陸間弾道ミサイル『火星14型』の2回目の発射実験に成功した」と発表しました。
発射は、最大の射程を想定して通常より角度をつけて高く打ち上げる「ロフテッド軌道」が用いられ、「高度が3724.9キロに達し、飛距離998キロを47分12秒で飛行した」としたうえで、弾頭部分の大気圏への再突入技術が改めて証明されたとしています。
キム委員長は朝鮮戦争の休戦から64年となった27日、発射の命令書にサインをしたとしており、「ICBMを奇襲発射できる能力が誇示され、アメリカ本土全域がわれわれの射程圏内にあることがはっきりした」と述べたということです。
北朝鮮がICBMと主張する「火星14型」の発射実験を行ったと発表したのは今月4日以来2回目で、前回に比べて高度が900キロ以上伸びるなどICBMの開発が一段と進んでいるとアピールすることで、トランプ政権を強くけん制するとともに国威の発揚を図る狙いもあると見られます。
性能 大きく向上とアピール
北朝鮮は、ICBM=大陸間弾道ミサイルと主張する「火星14型」の性能が2回の発射を通じて大きく向上しているとアピールしています。
具体的には、前回に比べて高度がおよそ923キロ伸びて3724.9キロに達したほか、水平での飛距離が65キロ長い998キロになったと発表しました。また飛行時間についても前回よりおよそ8分伸びて47分12秒だったとしています。
北朝鮮の国営メディアは「射程を伸ばすために増やしたロケットエンジンの特性と、改善された誘導・安定化システムの正確性や信頼性が実証された」と主張し、ICBMだと主張する「火星14型」の性能が2回の発射を通じて大きく向上しているとアピールしています。
具体的には、前回に比べて高度がおよそ923キロ伸びて3724.9キロに達したほか、水平での飛距離が65キロ長い998キロになったと発表しました。また飛行時間についても前回よりおよそ8分伸びて47分12秒だったとしています。
北朝鮮の国営メディアは「射程を伸ばすために増やしたロケットエンジンの特性と、改善された誘導・安定化システムの正確性や信頼性が実証された」と主張し、ICBMだと主張する「火星14型」の性能が2回の発射を通じて大きく向上しているとアピールしています。
自衛隊元海将 米本土到達の可能性
28日夜、北朝鮮が発射した弾道ミサイルについて、海上自衛隊で司令官を務めた元海将の香田洋二さんは「単純に計算できるものではないが、高度や飛行時間を踏まえると最大射程は8000キロから1万キロに至る可能性が考えられる」と述べ、アメリカ本土に到達する可能性があると指摘しました。
また北朝鮮が今月4日と同じ「火星14型」を発射したと発表したことについては「前回は火星14型の初めての発射で失敗が許されないため、搭載する燃料を減らしてエンジンへの負担を抑え、成功させることを第1の目的として撃った可能性がある。そこで十分なデータを得たうえで今回は燃料を増やして発射し、その結果、高度が30%ほど伸びたのではないか」と話しています。
夜間に発射したことについては「混乱させる目的もあったかもしれないが、アメリカ本土に届く可能性があるミサイルなので、映像を公開する際に有利な情報を取らせないようにした可能性も考えられる」と話していました。
そして短期間に2回続けてICBM級のミサイルを発射したことについては「ミサイルの弾頭部分が大気圏に再突入する時に摩擦熱などに耐えられるか、十分なデータを得るために短期間に繰り返したことが考えられる。今後はアメリカに届く能力を示すため日本の上空を通過させて太平洋に向けて発射する可能性は否定できない」と話していました。
また北朝鮮が今月4日と同じ「火星14型」を発射したと発表したことについては「前回は火星14型の初めての発射で失敗が許されないため、搭載する燃料を減らしてエンジンへの負担を抑え、成功させることを第1の目的として撃った可能性がある。そこで十分なデータを得たうえで今回は燃料を増やして発射し、その結果、高度が30%ほど伸びたのではないか」と話しています。
夜間に発射したことについては「混乱させる目的もあったかもしれないが、アメリカ本土に届く可能性があるミサイルなので、映像を公開する際に有利な情報を取らせないようにした可能性も考えられる」と話していました。
そして短期間に2回続けてICBM級のミサイルを発射したことについては「ミサイルの弾頭部分が大気圏に再突入する時に摩擦熱などに耐えられるか、十分なデータを得るために短期間に繰り返したことが考えられる。今後はアメリカに届く能力を示すため日本の上空を通過させて太平洋に向けて発射する可能性は否定できない」と話していました。
中国 北朝鮮非難も各国に自制呼びかけ
北朝鮮が弾道ミサイルを発射したことを受けて中国外務省の耿爽報道官はコメントを発表し、国連の安全保障理事会の決議違反だという認識を示したうえで「中国は北朝鮮が国連安保理の決議と国際社会の願いに反して発射活動を行うことに反対する」と非難しました。そのうえで「北朝鮮に対して、国連安保理の関連決議を順守し朝鮮半島情勢の緊張をさらに高める行動をやめるよう求める」としています。
その一方で「関係各国が慎重に行動し、緊張した情勢がエスカレートするのを防ぎ、共同で地域の平和と安定を守るよう望む」として各国に自制を呼びかけています。
また、韓国がアメリカの最新の迎撃ミサイルシステム「THAAD」について本格運用を急ぐ姿勢を強調したことについてもコメントを発表し「『THAAD』の配備は韓国の安全に対する懸念や朝鮮半島の問題を解決することができないうえ、問題をさらに複雑にするだけであり、中国を含むこの地域の国々の戦略的な安全と利益を損なうものだ」と批判しました。そして「韓国とアメリカには中国側の懸念を直視し、配備のプロセスを停止して関連する設備を撤去するよう強く求める」と改めてけん制しました。
その一方で「関係各国が慎重に行動し、緊張した情勢がエスカレートするのを防ぎ、共同で地域の平和と安定を守るよう望む」として各国に自制を呼びかけています。
また、韓国がアメリカの最新の迎撃ミサイルシステム「THAAD」について本格運用を急ぐ姿勢を強調したことについてもコメントを発表し「『THAAD』の配備は韓国の安全に対する懸念や朝鮮半島の問題を解決することができないうえ、問題をさらに複雑にするだけであり、中国を含むこの地域の国々の戦略的な安全と利益を損なうものだ」と批判しました。そして「韓国とアメリカには中国側の懸念を直視し、配備のプロセスを停止して関連する設備を撤去するよう強く求める」と改めてけん制しました。