上栗崇
2017年7月28日23時57分
高市早苗総務相は28日の閣議後会見で、NHKがテレビ番組のネット同時配信を行うための放送法改正について「現時点で速やかに改正するべきだとは思わない」と述べた。NHKと総務省は東京五輪に間に合うように2018年に放送法を改正し、19年の同時配信実現を目指してきたが、民放の反発が強く、受信料制度への視聴者の反感も広がっているため、議論を尽くす姿勢を示した。
NHKは放送法で同時配信を制限されている。一方、民放は規制はないものの収益面の不安から慎重姿勢だ。総務省は、急成長するネットフリックスなどの動画配信サービスに日本のテレビ局が対抗するためには同時配信の実現が必要との立場。有識者会議で民放などの合意を取り付け、18年の通常国会で放送法を改正する方針だった。
ところが今年6~7月、NHKが同時配信を放送と同じ「本来の業務」と位置づけ、ネットだけで番組を見る人からも受信料を取る考え方を示すと、民放側は「NHKが肥大化する」と猛反発した。高市氏は28日の会見で「一足飛びではなく段階を踏んで次に進むべきだ」と述べ、期限を切らずに合意を目指す考えを示した。法改正や配信開始が遅れる可能性もある。
高市氏は、同時配信はNHK本…
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朝日新聞社会部