石垣島の離島ターミナルに着き、私は彼にメッセージを送った。
彼はユーグレナカフェにいると言っていたので、宿に荷物を置いて私も合流した。
彼はユーグレナラテを飲んでいたので私も同じものを頼んだ。
「さっき隣に座っていた女の子たちがユーグレナって何?って話をしてたよ。で、その友達が答えは知らない方がいいかも、って(笑)」
「あはは。ミドリムシですよね?なんか、食料とか燃料とかにもなるやつ。こないだニュースでも見ました。」
「うん。僕も昔投資してたんだよね」
あ、そうだと言って彼はノートパソコンを広げ、
私に画面を見せて
「ほら見て、あなたと波照間島で会っている時間帯に25万稼いだよ。あなたのおかげです。」と言った。
株とFXで稼いでいる人のようだった。
私はポカーンとして
「私のおかげ…ってかニートじゃないじゃないですか!」
「ううん、僕、ニートです」
私は40年間毎日、遠い自宅から会社に通っていた父を思い出して、こういう仕事の人はなんとなく好きになれない、と感じた。