25歳の恋の話

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次の日の朝もよく晴れていた。



よれよれのTシャツと短パンの中に水着を着て、ビーチサンダルを履いて自転車を漕ぎ1人でビーチに行くと、まだ誰も人が居なかった。



私は綺麗な景色を独り占めしていることになんだか嬉しくなってしまって、


まだ少し冷たい海を泳いだり、


見たことのないヒトデに驚いて飛び跳ねたり、


写真を撮っていたら、


石垣島から朝一番のフェリーが来たようで、


船の停留所の方向から人がやってきた。



私は水着だったので、すぐに海から上がり、置いていたTシャツとショートパンツを履き、近くのサンゴの岩場に隠れた。


すると1人の男性が通り過ぎたかと思うと、私のところへ寄ってきて、


「ここ座っても良いですか?」と、話しかけて来た。


私は警戒心を抱きつつもどうぞ、と言った


彼は私の隣へ座り、


「お話してもいいですか?」といった。


私は内心嫌だったが「はい」と答えた。


住んでいる所を聞かれたので東京ですと答え、


東京のどこですか?と聞かれたので最寄り駅を伝えたら会社名と職業を当てられ、


私はいわゆるマニアかと思い、より一層警戒心を強めた。



反対に彼に職業を聞いてもニートです、と言うだけだったし、年齢を聞かれたので25です、と言うと若い、と言われたので彼の年齢を聞くと、僕はおっさんです、としか言わなかった。




そもそも彼は私の名前を聞いてこなかったし、彼に名前を聞いても教えてくれなかった。


語り口調も飄々として掴みどころがなく、また、彼の頭が良すぎるからか普通の人が知らないようなことを言うのできちんと会話が出来ているのか分らなかった。




FacebookLINEを教えてほしい、と言われ、Facebookだと個人情報と写真が見られるので、LINEくらいならと交換したら、ひとことに「もう一度ヒルズに戻ります」と書いてあった。


私は疑いつつも



「え、元ヒルズ族ですか?」



「うん。でも悪いことはしてないよ」



私は警戒心を持ちつつも、興味を惹かれてしまった。



「・・・いつ石垣に戻るんですか?」



「後一時間後です」



「え!もったいない!うーん・・・近場でよければ軽くご案内します」



私は宿のご主人が教えてくれたクマノミの親子が見える浅瀬や、海ガメが息継ぎをする岸、サンゴ礁が見える防波堤を案内した。


防波堤の上でサンダルを脱いで足をプラプラさせながら座ってサンゴ礁を眺めていると、彼は私に「付き合いませんか?」と言った。


私は「は?」と言った。

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