新しい仕事に少しずつ馴れつつも、疲れを感じていた頃、たまたま四日ほどの休日があった。
いつもの思いつきの一人旅で、石垣島の離島へ行くことにした。
紺と白のボーダーシャツにくるぶし丈の黒いストレッチスキニーパンツ、白いスニーカー、四月とはいえ今日は少し寒いので厚手のパーカーをはおり、黒いリュックにお財布とケータイとハンカチとリップクリーム、小さなピギーバッグの中には化粧ポーチと下着とバスタオル、Tシャツとロングワンピースを入れた。
あちらは暖かい地域とはいえ、海で泳げるかわからなかったのでサンダルと日焼け止めと水着は現地で調達することにした。
急いでインターネットで飛行機のチケットを取り、電車で空港へ向かう。
宿もまだ取れていない。
去年の9月にも石垣島から離島に行ったことがあるのでその時に行った島と違うところへ行こうとワクワクしながらガイドブックを広げる。
車内に暖かい光が差し込んでいる。
いい天気だ。
向こうも晴れているらしいので船もあまり揺れないだろうと、一番南の島へ行くことに決めた。
飛行機が離陸するときなぜかいつも切なくなる。
今いる場所から離れる不安とこれから行く場所への期待が入り混じっている。
上空に上がり窓の外を眺める。
少し雲が厚いようだ。
お気に入りの音楽を聴きながらしばらく眠ることにした。