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ストレスを減らすために最も優れた通勤手段は「自転車」 – ガーディアン紙

2017.07.28

  • メンタルヘルス
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イギリスの新聞「ガーディアン」は先ごろ、「もっともストレスの少ない通勤手段はなにか(What’s the least stressful way to commute?)」と題した記事を掲載した。それぞれの通勤手段の便益やリスクを分析した複数の研究結果に基づいて、働く人にとって最も優れた通勤手段について論じている。(以下、抄訳)

自転車通勤は職場でのストレスを減らし、仕事の生産性を上げる

記事はまず近年の研究結果を引き合いに出し、自転車通勤をすることで早期死亡のリスクが40%低下すると述べた上で、「この長期的な効能のほかにも、自転車通勤にはもっと即時的なメリットもある」と紹介。

それは「自転車通勤をすると職場でストレスを感じる度合いが減り、仕事の生産性がアップする」というもの。

職場健康管理の専門誌に掲載されたカナダの研究によると、自転車で職場に通勤した人は、車で通勤した人と比較して、始業後45分以内に感じるストレスレベルが低かったという。

「早朝にどの程度ストレスを感じるかは、その日全体の気分の優れた判断材料となる」と記事は指摘。研究著者らも、「早朝のストレスレベルはその後の出来事に対する認識・解釈・対応の仕方を方向づける」と述べている。

自転車通勤のメリットは、そのリスクを確実に上回る

記事によれば、イギリスでは現在自転車通勤をする人は4%程度。しかしデンマークの首都コペンハーゲンでは、自転車を優先化して車やバスよりも早く目的地に着けるようにした結果、通勤者の40%が自転車を利用しているという。

記事は自転車通勤のマイナス点として、都市の空気汚染や交通渋滞、怪我のリスクを挙げ、こうした要素があることによって、「自転車通勤=ストレス解消に役立つ」という図式は、腑に落ちないかもしれない、とコメント。

だがこれらのマイナス面を勘定に入れても、自転車通勤のリスクとメリットを天秤にかけた場合は、確実に後者が優ると論じる。

自転車通勤はあらゆる死亡原因の予防になる

イギリスの研究施設「バイオバンク」の登録者約26万5000人を5年にわたって追跡した調査では、調査期間中に自転車通勤をしていた人は、その他のすべての通勤手段を利用していた人と比較して、あらゆる原因による死亡率が低かったという。

たとえば徒歩通勤の場合は、心臓病予防には効果があったが、がん予防には効果がなく、さらに1週間で合計10キロ程度歩かないとその利益が得られなかったという。

また別の複数の研究結果として、人々が最も好む通勤手段は自動車であると記事は述べ、この利点は自由とコントロールが得られることとする一方で、「交通渋滞と集中力の発揮がストレス原因になる」と指摘。

そして公共交通機関は、「退屈でコントロールできないため、なおストレスが多い」と主張。

自転車通勤圏内に住む人の3分の1が車で通勤している

以上の要素により、「面白くて、刺激に富む」自転車が最も優れた通勤手段だ、と記事は論じている。

また最後に、「(環境などの要因で)自転車通勤が実行できない人もいる」としながらも、「自転車通勤圏内に住む人の3分の1が、車で通勤をしている」との調査例を挙げ、「自転車通勤の便益は、帰りの通勤を終えて家に到着したあとにも感じられるはずだ」と結んでいる。

参考:What’s the least stressful way to commute? (July 17 2017)|The Guardian

翻訳編集=櫻谷知央

【編集部より】ワーク・ライフ・バランスに関するこの他の記事はこちら。

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