北朝鮮が持っているとされる核兵器は、まともに使えるものかどうか怪しいぐらいの物です。しかし日本はもちろんアメリカにとってもこの核兵器は脅威なのです。
理由は北朝鮮がうっかり「テロリストにも売ってやるからね」と言ってしまったからなのですよ。核兵器使用の最悪のシナリオは、テロリストの手に核兵器が渡ること なのです。核兵器使用を唯一確実に防ぐ方法であるMAD理論は、核兵器の運用主体が利害で動く事を前提にしています。「自分が核兵器使ったら、核兵器で報 復されてしまうから止めておこう」という利害計算が働くためです。ところがテロリストは利害得失を無視します。判断の基準は政治信条や宗教など、利害では 測れないものです。従ってテロリストに核兵器の使用を止めさせる手段は無いのです。この宣言のせいで全世界が北朝鮮に対し不寛容になったのです。テロリス トに核兵器を売ると口走るような国家の存続は、絶対に許されません。正直その宣言直後に国連軍が再結集して北朝鮮に侵攻してもおかしく無い状況でした。今 から思えば、北朝鮮にはホイホイ外国に売れるような核弾頭は無い事がわかっていたから、ほっとかれたのでしょうね。