九州新幹線長崎ルート 整備方法で沿線2県の意見分かれる

九州新幹線長崎ルート 整備方法で沿線2県の意見分かれる
九州新幹線長崎ルートで、新幹線と在来線の両方を走行できる「フリーゲージトレイン」の導入が遅れる見通しとなったことを受けて28日に開かれた与党の検討委員会で、長崎県が全線を新幹線で結ぶフル規格で整備するよう要望したのに対し、佐賀県はフル規格以外での整備を求め、沿線の県で意見が分かれました。
与党の検討委員会には長崎県の中村知事と佐賀県の山口知事が出席し、今後の整備方針について意見を述べました。

このうち、長崎県の中村知事は、新幹線と在来線の両方を走行できるフリーゲージトレインの導入が遅れる見通しになったことを受け、全線を新幹線で結ぶフル規格で整備するよう求めました。

一方、佐賀県の山口知事は、フリーゲージトレインにはこだわらない考えを示したうえで、フル規格で整備することになれば地元の費用負担が800億円以上増えることが見込まれるとして、フル規格以外での整備を要望しました。

与党の検討委員会は、長崎県と佐賀県の意見も踏まえ、「フル規格」や在来線の線路を走るいわゆる「ミニ新幹線」などフリーゲージトレイン以外の方法も含めて、今後の整備方法を検討していくことにしています。

長崎県知事「方向性見直しが必要」

与党の検討委員会のあと、長崎県の中村知事は記者団に対し「フリーゲージトレイン開発の出口が見えない中、これ以上結論が先延ばしになるのは避けなければならない。すでに県内で進んでいる街づくりや、民間企業からの投資への影響も懸念され、この際、整備の方向性を見直していただく必要がある」と述べました。

佐賀県知事「フル規格は費用負担が問題」

与党の検討委員会のあと、佐賀県の山口知事は記者団に対し、「フリーゲージトレインを断念するかどうかは、われわれが考えることではないが、安全を第一にということは申し上げた。フル規格での整備は、地元の費用負担の問題があるので非常に厳しく、フル規格以外の選択肢で新しい提案があれば真摯(しんし)に考えていきたい」と述べました。