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生放送のコマーシャルに急遽 出ることになったみね子でしたが…。
いい？ 笑顔で。（みね子）笑顔で…。
「お父さん 今日も一日ありがとう」って叫んでくれればいいから。
（世津子）じゃ その好きなお父さんに言うつもりで言ってごらん。
はい。
あっ お父さん 帰ってきましたよ。
お父ちゃん今日も一日 ありがとう！
♪～
（谷）大丈夫ですか？
うん。
♪「Ｐｏｎ ｐｏｎ ｐｏｎ…」
♪「愛の言葉をリル」
♪「シャイなハートがドキドキ」
♪「あの日観てた“サウンド・オブ・ミュージック”」
♪「瞼閉じれば蘇る」
♪「幼い頃の大事な 宝物だけは」
♪「ずっと この胸に抱きしめて来たのさ… Ａｈ ａｈ」
♪「夜の酒場で Ｌｏｎｅｌｙ」
♪「あの娘今頃どうしてる？」
♪「さなぎは今、 蝶になって」
♪「きっと誰かの腕の中」
♪「肩寄せ合い 声合わせて」
♪「希望に燃える 恋の歌」
（元治）もうちょっと暇な時に流してくれたらみんなで見れたのにな。（秀俊）しょうがないでしょ。「夜のきまぐれショー」は金曜６時って決まってんだから。
私 何つうが 緊張してしまってもう どうしたらいいが分がんなくて 固まってしまって。
もう こんなですよ こんな。（省吾）ロボットみたいだな。
本当 そんな感じなんですよ。頭ん中 真っ白だし…。
帰らせて下さいごめんなさいって思ってて。
（鈴子）あらまぁ。
そしたら なんと そごに…。（鈴子）そこに？
救いの神が現れたんですよ。ん？
（秀俊）誰？誰だと思います？
え～？
分かんねえ。もう早いですよ！
ちゃんと考えて下さいよ！え～ う～ん…。
考えても分かんない。全然考えてないじゃないですか。
分かんないもん 救いの神だろ。
ウルトラマン！何で そんなもんが現れんですか？
（省吾）はい！はい。
鞍馬天狗。そういうこどじゃないです。
もう もういいから 早く教えて。
あっ 分かった！（省吾）何だ？
本当ですか？ ヒデさん。はい どうぞ！
ちょっと 自信あります。
答えは… 時子ちゃん！
あ～！ブー！ 残念でした～！
えっ？ 違うの？はい 違います。
いいから 早く教えてよ。はい。
先日 お店にいらした川本世津子さん 女優の！
（元治）あ～！（省吾）え～！
そっちだったか～。
何だよ お前そっちも思ってたみたいなさ。
結構 負けず嫌いだよな お前な。
先輩は もう少し負けず嫌いになった方がいいと思います。
はい すみません。お前ら 漫才でもやったらどうだ？
はい！嫌です。で どうなったの？
はい それで 世津子さん私の手を握って下さって安心させて下さって そしたらちょっと気持ぢが楽んなって…。
やってみようって思えたんです。へぇ。
そう？はい。
あっ でも 「お父さん！」って何か 笑顔で うまぐ言えなくて。
自分ではそのつもりだったんですけど何か 変な顔になっちまって…。
あぁ ダメかって思ってたら世津子さんが「よかったよ」って言ってくれて。
（鈴子）へぇ。
それで 無事に終わりました。ご苦労さま。
無事に終わりました。乾杯しましょう！
乾杯！（一同）乾杯～！
＜お父さん。今日は 私にとってはまるで 大冒険でもしたようなそんな一日でした＞
あの感じは 苦手です。
（時子）じゃ 何よみね子 私より先に テレビデビュー？
いやそういうことじゃないでしょうよ。
でも 今胸の奥が ちくっとした。え…？
嫉妬したのかもしんない。ちょっと 時子～。
でも 思い直した。みね子だしね。
は？ どういう意味よ！
（愛子）分かんないわよ 時子さん。
世の中 何が起きるかなんて本当 分かんないわよ。
ある日 突然 大女優になってしまうかもしれないわよ。
私が。えっ？ 愛子さんが？
（笑い声）
私も 報告あったんだけど何か かすんじゃったなぁ。
えっ？ ちょっと 何？ 何よ？
（せきばらい）
小さな役なんだけどドラマに出られることになったんだ。
え～！？ 本当に？すごいじゃない 時子さん！
はい！ これがね 縁というか何というか 不思議なもんで。
乙女寮にいた時オーディション 落ちたじゃないですか。
緊張して なまってしまって。
「武具馬具 武具馬具 三武具馬具。合わせて 武具馬具 六武具馬具」。
その時の面接の人がね私のこと 覚えててくれてさ。
その役がね思い切り 茨城なまりのある女の子の役なんだよ。
で そういえばって思い出してくれて。
え～！
むちゃくちゃ なまってる役をやらせてもらえることになったんだ。
すごいね。
みね子みたいに主役じゃないけどね。
ちょっと… 何よ それ もう！痛いって もう！
２人そろって テレビデビューかぁ。
時子。ん？
本当に おめでとう。
ありがとう。うん。
ずっと なまりをなくそうと思って努力してきたのにね。
変な感じだよ…。
で どうだった？ 撮影現場！あぁ。
あっ そうだ ちょっと待ってて。どうした？ みね子。
♪～
これ。何？
今日のアルバイト代ギャラっていうらしいです。
らしいね。
２，５００円。
すごいですね。
私のお小遣い２か月分です。
すごいなぁ…。
こんなに稼げんだなとも思ったけど…。
何か怖くて 私。怖い？
はい よぐ分がんないけど。
もちろんお金 たくさん稼いだりしてそしたらうぢが楽んなるかなとが欲しいもん買えるかなとも思ったけど 怖くて 何か。
分からなくはないよ。
だから これは このままうぢに送金しようと思います。
そう。うん。
何か みね子さんらしいね。
そうですかね？うん みね子らしいね。
そう？うん。
何かあんまし うれしくないような…。
まっ いっか！いい思い出になったしね。
（時子）んだね。フフフ！
＜でも コマーシャルに出だこどはやっぱし 本当はちょっと うれしかったです＞
おやすみ。おやすみ。
＜遠い未来に 私が結婚して子どもが生まれたら「お母ちゃんコマーシャル 出だこどあんだよ」って自慢しようって思いましたよ＞
そして 次のお休みの日。
♪～
（ドアのノック）
は～い。
はい。
こんにちは。
どうも。
あの… 何か…。
お休みの日に ごめんなさい。
すずふり亭さんに伺ったらこちらだと聞いて。
あ… 大丈夫です。あの どうぞ。
あっ いえ…。
今から ちょっと出られないかな？
あっ あの… 大丈夫ですけど…。
私のうちに来てほしいの。
えっ？
大丈夫かな？ 時間。
あっ はい！ あの今日は とぐにするこどないし洗濯ぐらいしか…でも すぐ終わるし…。
あの… 何で 私？
会ってほしい人がいるのあなたに。
お願いします。
はい 分がりました。
あの 支度するので少々 お待ち頂けますか？
あっ すずふり亭の先の通りでこの間の車で待ってます。
あっ 急がなくて大丈夫だから。ね？
はい 分がりました。
ありがとう。
あの…。
大丈夫ですか？
♪～
ありがとう。大丈夫 待ってます。
はい。
♪～
回想 どんな…。
えっ？
どんなお父さんだったの？
そうですね。
えっと 背が高くてとにかく優しくて…。
あっ 写真あんですよ。
これです。
本当だ。 優しそうな人だね。
はい ありがとうございます。
お父さん お名前は？
実です 谷田部 実です。
そう…。
すてきな名前。
そうですか？ありがとうございます。
「作物が実る」の実です。うぢ 農家なんで。
ハハハ そっか。はい。
みね子ちゃん…ご家族は ほかには？
えっとお母ちゃんと じいちゃんとそれに 妹と弟です。
うん…。
お母さん…。
きっと明るくて優しい方なんだろうね。
はい。
父が いつか帰ってくるって信じてんです 母は。
♪～
そっか…。
♪～