今から29年前の6月6日、川崎市の大ちゃんが交通事故に遭い、組織の指示による親の輸血拒否により、手当の甲斐なく10歳の短い生涯を閉じた。
当時10歳と言えば、団塊ジュニアと呼ばれている世代だと思う。当時は、「学校とエホバの証人」のブロシュアーが出て、避けなければならない学校行事がものすごく増えた。彼も苦労したことだろう。
また、ムチの全盛期で、おそらく大ちゃんも父親がJWだったこともあり、理不尽なムチを頻繁に受けていただろう。そんな中で、輸血を受けて生きる可能性もあったのに、亡くなった大ちゃんの無念さを思うと、あまりにも悲しい。
今、彼が生きていたら39歳だ。ちょうど人生の曲がり角に差し掛かって、ますます組織の業に熱心になっていたかもしれない。はたまた覚醒して、アメブロに出入りするようになっていたかもしれない。それは、永遠に謎のままだ。
このような中、先日の奉仕会で、血に関する取り決めの変更が発表された。私の母も、嬉々として「継続的委任状」を書く気マンマンだった。
これ以上、彼のような親の輸血拒否による犠牲者が絶対に出ないように祈りたい。また、彼の冥福も祈りたい。
また、組織はおそらく「既に解決した過去の出来事」のような扱いをするのではないかと思う。私たちの中でも、大ちゃん事件を知らない人もいるかもしれない。だが、この事件は絶対に風化させてはならないと思う。この事件を契機に、未成年の人の医療上での親の親権についても、真剣に論議され、一定の成果を得たものも少なくないのだから…。