ロケット戦闘機燃料庫「大規模で堅ろう」 千葉・柏

千葉県柏市には、太平洋戦争末期に開発された日本初のロケット戦闘機「秋水」の燃料貯蔵庫が全国で唯一残っています。地元の市民グループなどがこの貯蔵庫を調査したところ、全長55メートルの地下の空間をコンクリートで覆った大規模で堅ろうな構造だったことがわかりました。
「秋水」は、アメリカ軍の爆撃機、B29を迎え撃つために開発された日本初のロケット戦闘機で、開発中に終戦を迎えたため、実戦には使われませんでした。

柏市には「秋水」の燃料の過酸化水素を保管する貯蔵庫が全国で唯一残っていて、去年11月から地元の市民グループや研究者が市の協力を得て調査を行いました。その結果、貯蔵庫は、全長55メートルの地下の空間をコンクリートで覆った大規模で堅ろうな構造で、当時としてはあまり例のない規模だったことがわかったということです。

市民グループは爆発の危険がある高濃度の過酸化水素を保管するため、こうした構造になったと見ています。

調査をした國學院大学の上山和雄名誉教授は「戦争末期にこれほどの規模の貯蔵庫が整備されていたのは驚きだ。あまり知られていない『秋水』の実態を知る重要な手がかりだ」と話しています。