イラン 新型ロケットの発射実験に成功と発表

イランは27日、衛星の輸送を目的とした新型ロケットの発射実験に成功したと発表し、長距離弾道ミサイルへの応用を警戒するアメリカの反発を招くことも予想されます。
イランの国営通信は27日、国立の宇宙センターで衛星の輸送を目的とした新型ロケットの発射実験に成功したと発表し、発射の様子を撮影した映像を公開しました。

ロケットは、最大250キロの衛星を高度500キロの軌道に輸送することができるとしていて、国営通信はイランの宇宙技術の進歩を強調しました。イランは2009年に初めてとなる国産の衛星の打ち上げに成功していて、今後、新たに通信などを目的とした衛星を打ち上げる意向を示しています。

一方、弾道ミサイルについても、おととし国際社会との間で核合意が成立したあとも自衛目的として開発を続ける姿勢を崩していません。

これに対してアメリカは、一連の開発が長距離弾道ミサイルの技術に応用されるおそれがあるとして警戒を強めており、今月18日には開発に関連する企業などを対象とした追加の制裁を科していて、新たなロケットの打ち上げは、アメリカ側のさらなる反発を招くことも予想されます。

米国務省報道官「安全脅かす挑発」

アメリカ国務省のナウアート報道官は、27日の記者会見で、発射は弾道ミサイル開発の一環で国連安保理の決議違反にあたると指摘し、「中東や世界の安全を脅かす挑発的行動だ」と述べ、イランを非難しました。

トランプ政権は、イランの弾道ミサイル開発などが中東を不安定化させているとして制裁を強めています。ナウアート報道官は、弾道ミサイルの開発は、オバマ前政権がイランと交わした核合意の対象外だとしながらも、今回の新型ロケットの発射について、「核合意の精神に違反している」とも述べ、非難しています。