飛行機で台風観測 試験飛行でデータ取得確認

飛行機で台風観測 試験飛行でデータ取得確認
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日本の周辺ではおよそ30年ぶりとなる飛行機による本格的な台風の観測を前に観測機器の性能を確かめる初めての試験飛行が行われ、能登半島沖の上空およそ1万3000メートルから観測機器を投下して、風速や湿度などのデータを取得する手法の確認などが行われました。
試験飛行を行ったのは、名古屋大学と琉球大学、それに気象庁気象研究所の研究グループで、27日は、能登半島の沖合の、上空1万3000メートルから「ドロップゾンデ」と呼ばれる観測機器を飛行機から実際に投下して、データの取得などの性能の確認が行われました。

研究グループによりますと、日本の台風の進路の予報精度は年々向上している一方、3日後の予測で200キロ前後の誤差があるほか、強さの予測については改善が進まず、特に猛烈な勢力の「スーパー台風」など、急激に発達する台風は予測が困難だということです。

研究グループでは、飛行機で台風に近づき観測機器を投下して直接、台風を観測することで進路や強さの予報の精度の向上や謎が多い台風の発達のメカニズムの解明につなげることを目指しています。

今回新たに開発されたドロップゾンデは長さがおよそ30センチ、重さが110グラムほどと小型のもので、湿度計やGPSのセンサーなどが取り付けられ、落下しながら風速や風向き、温度や湿度といったデータを観測し、1秒ごとにデータを送ることで、台風をより詳しく立体的に観測することができるということです。

27日の試験飛行では8個中6個のデータを正確に受信することができたということです。

研究グループは、来月以降、日本に近づく台風で実際に観測を行っていく計画で、グループの代表で名古屋大学の坪木和久教授は「今回の試験飛行で精度よくデータを取得することができたので、今後、台風周辺のデータを直接観測し予報の精度の向上や謎が多い台風の発達のメカニズムの解明につなげたい」と話しています。