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 [ワシントン 27日 ロイター] - トランプ米政権の広報部長を務めるアンソニー・スカラムチ氏は27日、下院を通過した対ロシア制裁強化法案について、トランプ大統領が一段と強力な措置を求め拒否権を行使する可能性があるとの認識を示した。

 同氏はCNNに対し、「大統領は法案にそのまま署名するか、ロシアに対する一段と厳しい措置を求めて拒否権を行使するかもしれない」と語った。

 同法案は、大統領によるロシア制裁緩和を議会が阻止できる仕組みで、イラン、北朝鮮への追加制裁も盛り込まれている。

 仮にトランプ氏が拒否権を行使したとしても、同法案は超党派で幅広く支持を集めているため、拒否権を覆すことが可能だとみられている。上院は早ければ今週にも可決する見込み。

 スカラムチ氏は、トランプ氏のコアな支持層はエスタブリッシュメント(支配階級)をかき乱す大統領の姿勢を高く評価しているとし、拒否権を行使した場合、中核支持層への訴求効果があるとの認識を示した。

 だが、トランプ氏は大統領令を通じてロシアにいつでも新たな制裁を科すことが可能な立場にある。議員によると、トランプ政権は過去数週間に、法案の内容を薄めるよう働きかけており、トランプ氏は大統領による制裁緩和を議会が阻止できる点などを懸念しているとされる。

 これに対し、ロシアのプーチン大統領は「わが国に対する乱暴な態度を永遠と見過ごすことは不可能」として、米国の追加制裁の動きを批判。最終的な法案の内容を見極めた上で、報復措置の時期など詳細を決めるとけん制した。訪問先のフィンランドでの会見で述べた。

 

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