History
エピソード 6 「僕の消えゆく記憶を辿って・・・。」
ナベプロにお世話になっていた時代で思い出したけど、
当時アイドルで一世を風靡してた平尾昌晃と知り合って、
彼の「オールスターズワゴン」のグループにいたことがあるなぁ。
その他に「オールスターズワゴン」を辞めてから、
水原弘と知り合いになり、彼に頼まれて「ブルーソックス」というグループを僕が作った。
それはさておき、
当時の平尾昌晃はものすごい人気だった。
銀座の「テネシー」、銀座と新宿の「ACB」
この頃のロカビリーのライブハウスだった。
どこも始まる前から女の子のファンが一杯並んでいて、
そこを駆け抜ける様にステージに上がったもんだ。
もう、女の子から肩を叩かれたり、キャーキャー・・・。
いやぁ~、優越感に浸ったねぇ。
でも、今考えるとあの頃の女の子は、今では60歳か70歳位。
そう思うと、俺もその年かぁ~・・・。
嫌だなぁ~。
あの頃は、ステージでよく演奏しながら寝ちゃったっけ。
「今日おまさんステージで寝てたよ。」って何回も言われたっけ。
でも、演奏はちゃんとしていたそうだ。
青山の平尾君のマンションに二人で住んでいて、
仕事が終わった後、みんなと夜から朝までボーリングをやって遊んでた。
そんな生活をしていたものだから、ついステージに上がると、
音が鳴ると同時に子守歌みたいに聞こえて、自然に目が重くなっくる。
しかも、ジャズではないので、何か気がたるんでたのかなぁ。
ある日、銀座のACBで演奏している時、
1ステージ目の1曲目までは憶えてたんだけどなぁ。
曲が変わる度にちょっと正気になるけど、また寝てしまう。
これの繰り返しだった。
その時は、1ステージが終わりメンバーが控え室に帰った時、
僕だけステージで寝ていたそうだ・・・。
しかもベースを抱えたまま。
みんなお客さんは笑っていたらしいけど・・・。
平尾が「シイィ~」とみんなに言っていたらしい。
それで僕は「はっ」と目が覚めた時驚いた!
何と!!真っ暗だった!!
あれ~、僕はどこにいるんだろう?と思って、辺りを見回した。
そうしたら、どうって事はないよ。
守衛さんが「もう皆さんお帰りになりましたよ」
もう、一人で笑い転げたねぇ。
いやぁ~そんな事があったっけ。
平尾昌晃は凄い勉強熱心で、
その時のメンバーが、菅野邦彦(p)、鈴木勲(b)、小林チク(dr)
このメンバーだから、一生懸命ジャズを歌って勉強していた。
それが、後に素晴らしい音楽を聴かせる事になったんだろう。
その当時、水原弘も平尾昌晃のボウヤみたいなものだったけど、凄い歌唱力だった。
彼の歌はジャズではないけど、ジャンルが違っても素晴らしかった。
「ブルーソックス」も僕が作ったグループだ。
そこで森山加代子、水原弘の前座みたいな物だったけど。
当時、客で「ちょっと歌わせてくれよ~」「ジェニージェニー歌わせてよ~」とうるさい若者がいた。
水原が「おまさん歌わせてやろうか?」、僕は「いいよ」と言った。
(あいつは優しいから)
それが、何と驚くなかれ、あのジェリー藤尾だったのであ~る。
水原弘はお酒が好きで、それが原因で亡くなってしまった。
非常に残念だ。

NHK「夢で逢いましょう」
左のカツラ男が僕、真ん中が九重佑三子、右の頭は田辺靖雄
今日は、記憶が遠のいて行かないうちの「其の1」でした。
次回へ続く。