森の中で全裸のエルビス

2017年7月10日（月曜日）
【ドイツ】コブレンツ

よっしゃ天気悪いコノヤロウ！！！！

せっかく昨日のうちに下調べも終えて路上場所の確保とかしてるのに！！

今にも雨が降り出しそうな曇り空っていうかちょっとはらはら降ってる！！

でもこんなもんで諦めるか！！

ギターを持って新市街にやってくると、すでにめっちゃたくさんの人たちがショッピングストリートを埋めていた。

おお、やっぱりこの町最高やな。

めっちゃ雰囲気完璧！！！

雨は降ってるけど、昨日の下調べどおりガレリアの軒下はばっちりスペースがある。

よーし、気合い！！！

うん、反応悪い。

ていうかみんな見ていってはくれるんだけど、そこからポケットのコインを取り出すまでもっていけない。

雨が降ってるのでみんな傘をさしていたりカッパを着てるので財布を取り出しにくいし、足早になっているのでどんどん通り過ぎていってしまう。

うーん、やっぱり雨はしんどいなぁ。

ちょっと雨足が強くなってきたので、一旦休憩にして昨日のカフェへ。

ここ大きめのカプチーノがたった1.5ユーロ、190円という安さでワイファイもあるしコンセントもあるし、地元のオッちゃんがうだうだやってるので長居しやすい。

しかもこのお店ってドイツの全国チェーン店だから、きっとどこの町にもあるはず。

いやぁ、ドイツどんどん成長してる。

いつも俺が歌ってる間、カンちゃんは近くのカフェやマクドナルドに行ってネット作業をしているんだけど、この大好きなドイツの唯一の欠点はワイファイ環境の悪さだった。

マジでどこにもワイファイがなくて、カンちゃんもやることがなくていつも困っていた。

それが今回1年ぶりにドイツに戻ってきて相当変化があることに驚いてる。

いろんなカフェにワイファイが飛んでいるし、マクドナルドもついに1日3時間制限のワイファイを飛ばしだした。

1日3時間ってのはあるけど大した成長。

「俺が歌ってる間カンちゃんがどっか行くの寂しいんだけどねー。」

「私も寂しいよー。でもアユムさんがいつも言ってるやろ。生産性のある時間を過ごしましょうって。」

「生産性！！旅中でも無駄な時間なんて1秒もないぞー！！」

というところで、外の雨が止み始めた。

よっしゃ路上再開！！！！

もうこっからは反応バリバリ。

やっぱり雨が止んで太陽が出てくるとみんな足を止めてくれ始め、コインやお札がギターケースを埋めていく。

たくさんの人が話しかけてくれ、嬉しい言葉をかけてくれ、今日も楽しすぎる路上。

小さな子供がぽてぽて歩いてきて親から渡されたコインを入れてくれる。

そして子供に折り鶴を渡すと、嬉しそうな顔で親のところに走っていき、またすぐに戻ってきて何かと思ったら、めっちゃ可愛い声でダンケェェェエ。

超可愛い！！！！連れて行きたい！！！！

カンちゃんと俺からもこんなに可愛い子供が生まれたらいいなぁ。

あー、路上が楽しい。

イタリアしんどかったよなぁ。

「あー！！ブログ読んでますー！！」

ドイツ人の旦那さんがいらっしゃる日本人女性のかたが10ユーロも入れてくださった。

ずっとブログを読んでくださっていたと、めっちゃ嬉しいことを言ってもらえた。

お名前も聞かずに失礼しました！！本当にありがとうございました！！！

暑い日差しの中、頑張って歌い、17時を過ぎたくらいで今日は終了。

人通りはまだまだ絶えないけど、あんまり飛ばしすぎると喉がへたってしまう。

今日のあがりは3時間半で228ユーロ、29600円。

路上を終えてちょっと小腹がすいたなーと歩いていると、ガレリアの前にカリーワースト屋さんを見つけた。

ドイツではどっこでも食べられているめっちゃ大衆的なファストフードのカリーワースト。

ソーセージに甘いカレーソースがかかったもので、それ以上でもそれ以下でもない味だ。

ドイツ人ってよくみんなこんななんでもない食べ物をいっつも食べてるよなぁと思ってたんだけど、まぁせっかく久しぶりにドイツに帰ってきたんだ。

このグルメ金丸が食べてしんぜようかな！！！！えええ！！？

ホーラ、出てきましたよ。

ソーセージにカレーソースをかけただけのシンプル極まりない食べ物が。

こんなものが繊細な味覚が必要とされる和食を食べてきた日本人に通用すると思ってるんですかシュトロハイムさん？

だいたいソーセージにカレー？ふざけてるんですか？

そんなもん聞いたらインド人が鼻からヒゲ生やしながら牛乗ってきますよ？

そんなテキトーに余ったもんぶっかけたような食べ物にこれ私が満足すると思ってるのかオイ！！！

アラやだ美味しい。

え………？美味しい。

ちょ、ちょっと待て。

なんだこのソーセージのプリプリ感とカレーソースのハーモニーは。

しかもパンがついてくるので、一緒にかじると絶妙にマッチする。

こ、こんなはずは………………

前回のドイツで食べた時、もう2度と食べることはないかなって思ったのに。

「か、カンちゃん、美味しくないこれ？」

「うん…………私もそう思ってた…………ここが美味しいお店なのかな…………」

カリーワーストが美味しくなってきたところから本当のドイツの旅スタートってことですか。

心も味覚もドイツに馴染みつつあります。

カリーワースト、パン付きで値段は2.5ユーロ、320円。

小腹を満たすにはぴったりなドイツのファストフードです。

これドイツでも大流行り。いや、もう流行りは過ぎたかな。

ディスプレイがテキトー、それがドイツ。いや、フランスがオシャレすぎたんだよな。

車に戻り、昨日と同じ寝床にやってきた。

町はずれから山を登っていったところにある、森の中のパーキングスペース。

寂れたハイキングコースのパーキングなので、まず誰もこない真っ暗な山の中だ。

これくらい人里から離れていると静かでとても寝やすい。

さて、そんな人が全くやってこない森の中でシャワー浴びましょうか。

こんなに汗をかいた日はペットボトルシャワーに限りますな！！！

森の中で全裸になり、石鹸を構える！！！

「フミ君いくよー。」

「よっしゃかかってこいコノヤロウ！！！」

「ジャバジャバジャバジャバ。」

「あへえええええ！！！！冷たい！！！！」

「もっといきますよー。ジャバジャバジャバジャバ。」

「フオオオオオウウ！！！気持ちいいいい！！！」

「あ、フミ君、車来たよ。」

「ひいいいい！！！！隠れてええええ！！！！なんでこんな時間にこんな山の中に車通るんだよ！！！」

「ウケるー。全裸で隠れてるウケるー。」

「さっきまでエルビス歌ってたのに全裸で隠れてるとかウケる！！！」

真っ暗な中、2人でキャッキャ言いながら水をかぶった。

森の中で全裸になる開放感は変態だけどすごく気持ちいい。

カンちゃんがこんなことできる子で良かったよなぁってつくづく思う。

ホテルに泊まって毎日シャワー浴びないと嫌！！！とか言う人だったら絶対こんな旅できない。

似た者同士ってことなんだろうけど、それが年中スッピンのどヒッピーとかじゃなくてこんな可愛い子でよかった。

「じゃあカンちゃんもいきますよー。ジャバジャバジャバジャバ。」

「ひいいいい！！！！気持ちいいいい！！！！」

「あ、車来ましたよ。」

「隠れてええええええ！！！！」

2人で爆笑しながら車の陰に隠れた。