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 南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣された陸上自衛隊の部隊が作成した日報をめぐる問題で、稲田朋美防衛相は27日、引責辞任する意向を固めた。防衛省は28日に日報問題についての特別防衛監察の結果を公表する予定で、稲田氏はこの問題をめぐる混乱の責任をとって辞任する考えだ。

 日報をめぐっては、1月中旬に陸自内で日報の電子データが保管されていたことが発覚。陸自は特別防衛監察に対し、「2月中旬の幹部会議で、稲田氏に日報の電子データ保管を報告した」と説明。一連の過程に稲田氏が関与している可能性が浮上していた。野党側が稲田氏の罷免(ひめん)を要求する中、安倍晋三首相は8月初旬の内閣改造まで続投させる意向を示していた。

 稲田氏は2005年9月の郵政選挙で初当選。歴史認識問題などをめぐってタカ派としての言動が注目を集め、首相は「将来のリーダー候補」として重用した。自民党政調会長を経て、16年8月に防衛相に就任した。

 稲田氏はこれまでも、発言などが物議を醸してきた。学校法人「森友学園」問題をめぐる答弁は迷走し、国会で陳謝に追い込まれた。6月の東京都議選の応援演説では「防衛省、自衛隊、防衛大臣、自民党としてもお願いしたい」と発言し、自衛隊の政治的中立性を侵しかねない内容だとして批判を浴びていた。

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