トランプ大統領「軍にトランスジェンダー認めぬ」
アメリカのトランプ大統領は、心と体の性が一致しない「トランスジェンダー」の人たちについて、アメリカ軍で働くことは認めない方針を明らかにし、民主党や人権団体などから批判が相次いでいます。
これはトランプ大統領が26日、みずからのツイッターに書き込んで明らかにしたもので、「アメリカ政府はトランスジェンダーの人たちがいかなる形でも軍で働くことは認めない」としています。
その理由についてトランプ大統領は「われわれの軍は圧倒的な勝利を収めることに集中しなければならず、トランスジェンダーがもたらす多額の医療コストや混乱が負担になるべきではない」と主張しています。
オバマ前政権は去年、トランスジェンダーの人たちのアメリカ軍への入隊を禁じる規則を撤廃すると発表していて、アメリカのメディアによりますと、アメリカ軍で兵士などとして働いているトランスジェンダーの人は2000人以上いると見られるということです。
トランプ大統領としては、保守派などを意識してオバマ前政権の方針を見直す姿勢を示した形です。
これについて議会下院の民主党トップ、ペロシ院内総務は声明を出し、「危険を冒して国を守っているトランスジェンダーの人たちを侮辱する決定で、軍を弱体化させるだけだ」と非難し、民主党や人権団体などから批判が相次いでいます。
その理由についてトランプ大統領は「われわれの軍は圧倒的な勝利を収めることに集中しなければならず、トランスジェンダーがもたらす多額の医療コストや混乱が負担になるべきではない」と主張しています。
オバマ前政権は去年、トランスジェンダーの人たちのアメリカ軍への入隊を禁じる規則を撤廃すると発表していて、アメリカのメディアによりますと、アメリカ軍で兵士などとして働いているトランスジェンダーの人は2000人以上いると見られるということです。
トランプ大統領としては、保守派などを意識してオバマ前政権の方針を見直す姿勢を示した形です。
これについて議会下院の民主党トップ、ペロシ院内総務は声明を出し、「危険を冒して国を守っているトランスジェンダーの人たちを侮辱する決定で、軍を弱体化させるだけだ」と非難し、民主党や人権団体などから批判が相次いでいます。
米医師会「医療コストは国防予算の誤差の範囲」
トランプ大統領の方針を受け、アメリカ医師会は26日、会長名で声明を発表しました。声明では、「トランスジェンダーの人たちを軍から除外する医学的な根拠はない。トランスジェンダーの人たちがもたらす医療コストは国防予算の誤差の範囲で、愛国心のあるアメリカ人が国に奉仕する機会を拒否する口実に使われるべきではない」と指摘して、多額の医療コストがかかることを理由として挙げたトランプ大統領を批判しています。
ホワイトハウス記者会見で質問相次ぐ
トランプ大統領がトランスジェンダーの人たちについてアメリカ軍で働くことは認めない方針を明らかにしたことを受けて、26日のホワイトハウスの記者会見でも、これに関する質問が相次ぎました。
この中でサンダース報道官は、対象となる人たちの範囲などを問われ、「国防総省とホワイトハウスが協力して進めることになる」と述べ、具体的な検討は今後進められるとの考えを示しました。
また去年の大統領選挙中にトランプ大統領がツイッターに、LGBTと呼ばれる性的マイノリティーの人たちに向けて「あなたたちのために戦う」などと書き込んでいたことについて問いただされると、サンダース報道官は「今回の決定は軍の決定に基づくものだ」と繰り返すにとどまりました。
この中でサンダース報道官は、対象となる人たちの範囲などを問われ、「国防総省とホワイトハウスが協力して進めることになる」と述べ、具体的な検討は今後進められるとの考えを示しました。
また去年の大統領選挙中にトランプ大統領がツイッターに、LGBTと呼ばれる性的マイノリティーの人たちに向けて「あなたたちのために戦う」などと書き込んでいたことについて問いただされると、サンダース報道官は「今回の決定は軍の決定に基づくものだ」と繰り返すにとどまりました。
ホワイトハウス前で抗議集会
26日夜、ホワイトハウスの前には200人以上の人が集まり、トランプ大統領に抗議する集会を開きました。
集まった人たちは「トランスジェンダーの軍隊を守れ」などと書かれたプラカードを掲げ、「トランスジェンダーの人たちは負担ではない」とか「これは民主主義ではない」などとシュプレヒコールを上げていました。
参加者の1人は「私自身もトランスジェンダーで、海軍で働いていた経験があるので、ショックや怒り、そして裏切られたという思いでいっぱいです。軍にいる人は皆、アメリカを守ろうという同じ思いを持って仕事をしているのに、トランスジェンダーかどうかで差別されるというのは、納得できません」と話していました。
また別の参加者の男性は「トランスジェンダーの人たちに対してもイスラム教徒に対してもトランプ大統領のスタンスは同じで、ある一部のグループに対して、そのほかの人たちと同じ権利を認めないという、アメリカらしくない考え方です。トランスジェンダーの人たちにもそうでない人たちと同じ権利を認めるべきです」と訴えていました。
集まった人たちは「トランスジェンダーの軍隊を守れ」などと書かれたプラカードを掲げ、「トランスジェンダーの人たちは負担ではない」とか「これは民主主義ではない」などとシュプレヒコールを上げていました。
参加者の1人は「私自身もトランスジェンダーで、海軍で働いていた経験があるので、ショックや怒り、そして裏切られたという思いでいっぱいです。軍にいる人は皆、アメリカを守ろうという同じ思いを持って仕事をしているのに、トランスジェンダーかどうかで差別されるというのは、納得できません」と話していました。
また別の参加者の男性は「トランスジェンダーの人たちに対してもイスラム教徒に対してもトランプ大統領のスタンスは同じで、ある一部のグループに対して、そのほかの人たちと同じ権利を認めないという、アメリカらしくない考え方です。トランスジェンダーの人たちにもそうでない人たちと同じ権利を認めるべきです」と訴えていました。
ニューヨークでも抗議集会
トランスジェンダーを含むLGBTと呼ばれる性的マイノリティーの人たちが多く住むニューヨークでも、26日抗議の集会が行われました。
ニューヨーク中心部のタイムズスクエアで行われたデモには数百人が集まり、はじめにアメリカ陸軍の元兵士のトランスジェンダーの人が「私はこの国を愛している。軍で働く権利はすべての人の権利であるべきだ」と訴えました。
集まった人たちは「トランスジェンダーの権利は人権だ」と書かれたプラカードを掲げたり、「立ち上がって抗議しよう」と訴えたりしてトランプ大統領の方針への反対の声を上げました。
去年、10年間務めた空軍を退役したという女性は「今も軍で命をささげているトランスジェンダーの人たちを知っているので、憤りと同時に悲しみを感じている。命をささげることの意味を知らないトランプ大統領は危険な存在だ」と話していました。
また、別の男性は「これはロシア疑惑などから目をそらすためのものだ。トランプ大統領は選挙キャンペーン中はLGBTに友好的だとしていたが、それはうそだったことがわかった」と話していました。
ニューヨーク中心部のタイムズスクエアで行われたデモには数百人が集まり、はじめにアメリカ陸軍の元兵士のトランスジェンダーの人が「私はこの国を愛している。軍で働く権利はすべての人の権利であるべきだ」と訴えました。
集まった人たちは「トランスジェンダーの権利は人権だ」と書かれたプラカードを掲げたり、「立ち上がって抗議しよう」と訴えたりしてトランプ大統領の方針への反対の声を上げました。
去年、10年間務めた空軍を退役したという女性は「今も軍で命をささげているトランスジェンダーの人たちを知っているので、憤りと同時に悲しみを感じている。命をささげることの意味を知らないトランプ大統領は危険な存在だ」と話していました。
また、別の男性は「これはロシア疑惑などから目をそらすためのものだ。トランプ大統領は選挙キャンペーン中はLGBTに友好的だとしていたが、それはうそだったことがわかった」と話していました。