挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
Fate/Aqua alba draco 作者:雪景色 蜜柑
1/1

プロローグ

『素に銀と鉄 』

クラス、アーチャー。

『礎に石と契約の大公、
欲するは我が古きの主君』

触媒として大いなる神の皮、一部分。

『降り立つ風には壁を、
四方の門は閉じ、王冠より出で、
王国に至る三叉路は循環せよ』

今夜、私、【武鳴 華夜】はサーヴァント従える。

|『閉じよ、閉じよ、閉じよ、閉じよ、閉じよ』《空かせ、空かせ、空かせ、 空かせ、空かせ、》

詠唱は他と少し違う。

『繰り返すつどに五度。
ただ、満たされる刻を破却する』

私の願いはひとつ、
あの時、私を、姉を助けてくれた、【武鳴 氷華】に
聖杯の使用権を譲り渡す事。

『告げる、
汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に、
聖杯の寄るべに従い、
この意、この理に従うならば応えよ!』

ただ、恩返しがしたい。
氷華は、思考が読めなくて、なにか欲しいものを聞いても
「私は今の平穏な生活があればそれでいいよ」

『誓いを此処に、
我は常世総ての善と成る者、
我は常世総ての悪を敷く者』

だから、この聖杯というものはうってつけだった。
なんでも出来る、これがあれば、
氷華に正真正銘の恩返しが出来る。

『されど汝はその眼を混沌に曇らせ侍るべし、汝、狂乱の檻に囚われし者。我はその鎖を手繰る者』

この触媒をくれたあの人に感謝しなくては。
結局、あの人は誰だったんだろう?

『汝三大の言霊を纏う七天、
抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ!」



眼前が白くなり、数秒間、私は目を閉じる。
目蓋の向こうの真っ白な空間は徐々に光をなくし、
ようやく、目を開ける。

雪にような白い髪、
彼岸花の描かれた青い浴衣、
腰に、二本の刀、
大きな特徴として、
白く、長い、みずみずしい尻尾が生えている。
美しい女性だ。

………ん?
クラスはアーチャーのはず。
弓は?

「アーチャー、
召喚に応じて参上したわ」

アーチャーは透き通った声で自己紹介する。

「貴女が私のマスターね?」

「はい」

「ふむ…そう、
そっちから質問はある?」

あるに決まっているわ。
まずは…

「なんでアーチャー?
その腰の二本の刀は?」

「この二本は別の宝具、
アーチャーの理由は…」

突如、半透明の弓が出てくる。

「この通り、
私は水を発生させてそれを自由に変形させる宝具
【海王結界 -ウォーク・ウォーター-】」

サーヴァントはみんなこういうことが出来るの…?
想定より凄いらしいわ。

「弓術、剣術、魔術…
宝具は6本持ってきたわ」

「随分と多いのね、
そ尻尾はなに?」

「触ったらマスターと言えど怒るわよ」

どうやら触れてはいけない事らしい
二重の意味で。

「わかったわ、
じゃあ最後にあなたの真名を教えてくれる?」

「ええ、
私の名前は…………」

名前は?

「【クトゥルフ】
聞いたことはないかしら?」

恐ろしいものを引き当ててしまったという事に
無知な私は気付けていなかった。

評価や感想は作者の原動力となります。
読了後の評価にご協力をお願いします。 ⇒評価システムについて

文法・文章評価


物語(ストーリー)評価
※評価するにはログインしてください。
感想を書く場合はログインしてください。
お薦めレビューを書く場合はログインしてください。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ