蹴球探訪
異端のレジェンド 土屋征夫 41歳9カ月“J1最年長出場”(5月25日)
【大相撲】白鵬が日本国籍取得へ 最多の1047勝達成2017年7月21日 紙面から
◇名古屋場所<12日目>(20日・愛知県体育館) 横綱白鵬(32)=宮城野=が関脇玉鷲を寄り切り、元大関魁皇(現浅香山親方)に並んで史上1位となる通算1047勝に到達した。モンゴル出身の白鵬は近い将来、日本国籍を取得する意向があることが判明。引退後も親方として相撲界の発展に尽くすつもりだ。 殺気すら感じさせる激しさだった。記録に待ったをかけられた11日目のうっぷんを晴らすかのように、白鵬は立ち合いで左から張って右からかち上げる。攻め手を緩めず右、左と強烈な張り手を浴びせ、玉鷲をぐらつかせる。1位の通算1047勝へ、もう足踏みはしないという気迫が白鵬を鬼にした。 「不思議にね、並んだ方がうれしい。1つ待ったがかかったから。言葉に言い表せないね」 支度部屋に引き揚げてくると、「きょう、多いねカメラが」と満面の笑みを浮かべた。 6年前の名古屋場所7日目は、白鵬の記憶に焼きついている。魁皇が1047勝目を決めた瞬間を、結びの一番を待つ土俵下から見つめていた。 「あのときは自分にそういうときが来るとは思ったこともない」。白鵬はその日で通算609勝目をあげたばかり。夢のような数字に思えた。 不思議な縁で、この日は魁皇が浅香山親方として土俵下の審判を務めていた。「見たけど、下を向いててね」とアイコンタクトはなかったが、思いは通じ合っている。 関係者によると、白鵬は近い将来、日本国籍を取得する意志があるという。日本相撲協会寄付行為施行に「年寄名跡の襲名は、日本国籍を有する者に限ることとする」とある。 白鵬が日本国籍を取得すれば年寄名跡の取得が可能。これまでの実績から、現役名「白鵬」のまま年寄となることができる一代年寄が贈られる可能性もある。モンゴル国籍のまま現役を続ける白鵬の引退後の去就は常に注目を集めてきた。横綱は相撲協会の財産であり宝。引退後も親方として残り、その経験を伝えていく使命もある。 「去年けがもあり苦しんだというのがあるから、ひと味、ふた味もおいしい。すんなりといってたら、ここまでいってなかった」 これからは無人の荒野を行くがごとくのひとり旅。「あした単独といきたい。一番一番」。次なる目標は着実に1048勝目。白鵬にとって旅の終わりはまだ先だ。 (岸本隆) PR情報
|