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【大相撲】

白鵬39度目V インタビューで「サンキュー」

2017年7月24日 紙面から

優勝を決め、万歳三唱する関係者や家族と喜ぶ白鵬=愛知県体育館で(棚橋慶太撮影)

写真

◇名古屋場所<千秋楽>

 (23日・愛知県体育館)

 白鵬、歴代最多勝利の大記録に花を添える39度目V−。横綱白鵬(32)=宮城野=が横綱日馬富士(33)=伊勢ケ浜=を寄り倒して14勝1敗とし、自身の持つ最多記録を更新する39度目の優勝を果たした。2場所連続制覇で、40度の大台まで「あと1」に迫った。平幕碧山(31)=春日野=が小結嘉風に勝って2敗を守ったため、白鵬は負けていれば優勝決定戦にもつれ込むところだったが、日馬富士との結びを制した。 

 土俵下の優勝インタビュー。心地良さそうに万雷の拍手を全身に浴びた白鵬は、ファンが手に振る「39」と書かれたうちわを見てひらめいた。

 「どうも皆さん、サンキュー!」

 自身が持つ最多記録を塗り替える39回目の優勝を、オヤジギャグにしてファンの心をギュッとつかむと、両手をあげて四方にあいさつ。さらなる拍手に包まれた。

 「天才だねえ。うちわに『39』って書いてあったんですよ。それを見て出ちゃいました」。ちゃめっ気たっぷりの笑みを浮かべた。

 千代の富士、魁皇が持つ通算勝ち星の記録を抜き去り、結びの一番も日馬富士を右四つから寄り倒し。負ければ碧山との優勝決定戦に持ち込まれていたが、通算1050勝目でしっかりと締めくくった。

 「まあ、大記録からなんとか切り替えて、優勝して良かった」

 通算勝ち星の記録は通過点ではあるものの、振り返ってみると重圧になっていたのか。それだけに、記録と優勝の両方を手にすることができ「そりゃあもう、大満足ですよ」と喜びも大きい。

 4横綱となって3場所目だが、全員皆勤は一度もない。その中で2場所連続の優勝。4横綱としては1999年9月、11月と連覇した武蔵丸(武蔵川親方)以来、18年ぶり。八角理事長(元横綱北勝海)は白鵬のすごさを、こう表現する。「4横綱も大変だが、いろんな意味でいえば一人横綱は大変だ」。白鵬は2010年3月から12年9月まで15場所を一人横綱として支えてきた。その間に野球賭博問題、八百長疑惑問題、東日本大震災…。相撲界が、日本が落ち込んでいるときに引っ張ってきた経験が、揺るぎない自信へとつながっている。

 1958年に名古屋場所が本場所となって60回目。「昭和33年の初の場所で初代若乃花関が優勝しました。実は縁がありまして、(引退後の初代若乃花が)26年前にモンゴルを訪ね、私の父と対談した。私は6歳でお菓子をもらった。それがうまい棒」。来日してから「うまい棒ってこんなに種類があるの」と驚いたというが、次は前人未到の優勝40回、幕内1000勝へ。今や驚きの的は白鵬自身となっている。 (岸本隆)

 

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