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さあ、毎度おなじみ、ドクター・トマベッティーの本です。
最近、本の出版速度が異様に高速化している気がします。

今回は、業界内でタブーとされているらしい、
電通を槍玉に挙げています。
この本は2012/2/14に出版されました。
ずっと読みたかったのですが、やっと読めました。

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今回彼が、この本で電通を選んだのは、
別に、電通に何か個人的な感情がある訳ではない、とのことです。


この本の論点は、

「日本国民は、メディアというもの(テレビ、ラジオ、新聞、雑誌)に、
完全に洗脳されやすい状態を作り出されており、
その問題点にまず気づくこと。
そして、どんな主張であっても、
その裏側には何らかの意図が隠されているものであり、
その裏の意図を読める様にすること。
そして、自らが自分の頭で考えるようにして、
何事も鵜呑みにしないようにしなさい。」

ということ。
(なので、もちろんこの本の内容が真実か否かも、
きちんと疑わなければいけません。)



彼のこの本を読むと、
今まで電通を批判した人が、業界から干されたりしているらしく、
「そんなに危険な領域に足を踏み入れて、あなたは大丈夫なのか?」
と心配したくなります。

しかし、彼が主張するように、
本来「ジャーナリズム」「メディア」というものは、
国の権力などに踊らされず、
闇に隠された真実を、
人々にきちんと伝えるために存在するものであるわけで。

それを、今の日本の様に、
数少ないテレビ局、新聞社、ラジオ社によって、
一方的な情報、意向だけを伝え、
国民を、一方的な考え方に、
知らぬ間に落とし込んで行くのには、
危険性が大きすぎる気がします。


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彼がこの本の中で述べていたことで、
「やたらと、お笑いブームが定期的にやって来る」と。

あくまでも、内容のきちんとした番組がメインで放送されている中で、
その合間にお笑い番組が入るのならば良いものを、
常に、どのチャンネルでも、
どの時間帯もお笑い、と。

これは完全に、国民をバカにさせるための手段でしかないと
彼は言っていますが、これには完全に同意です。
(英語でTVのことを"Idiot Box"(バカの箱)とも言います。)



ちなみにテレビに関して言うと、
自分は小さい頃からテレビを余り見なかったというのもありますが、
(中学までは、テレビは殆ど見ない様に親に言われていた)

高校に入ってからは、テレビを見る時間などあるはずもなく、
そして大学からアメリカに行ってからは、
向こうでテレビを持っていなかったので(ケーブルに入っていなかったので、テレビが映らなかった)、
そのまま、今までテレビを見ない習慣がついて、
10年近く来てしまいました。

よって、今もテレビを見ません。

(まあ今は、テレビはあるけれど、地デジ対応になっていないので映らない、というのもあるけど。
今の日本で、地デジ対応になっていないからテレビが見られない、という人間が果たして何人いるのか。)


なので、たまにテレビを見ると、
CMの煩さや、
番組の下らなさや、
一方的なニュースの伝え方に、
違和感を感じまくって仕方がありません。


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話を元に戻します。

この本によると、
電通は創業当時から、
GHQの傘下にあり、
活動内容を完全に監視されていたとのこと。

(彼の別の著作でも出て来ますが、ここでも、
戦後にGHQによって実行された、
WGIP(War Guilt Information Program)の事が触れられます。
これは簡単に言うと、
日本が戦争で負けた事に対して、
国民が当時持っていたその怒りの矛先、そして敗戦の責任を、
敵対国であった英米から、
戦争を指揮した旧日本政府や、旧日本軍に向けさせるプログラムのこと。)


そしてGHQが日本を出た後は、
今度は、電通はCIAに完全にコントロールされている、とのこと。

(戦後、日本の統治に取りかかったGHQが、
電通の本社ビル(現・電通銀座ビル)を接収しようと図ったが、
これを阻止した元電通取締役の 上田 碩三(うえだ せきぞう) 氏は、
後に、その時に手を貸してもらった元UP通信社(現・UPI通信社)の
副社長兼極東支配人のマイルス・ボーン氏と共に、
浦安沖で鴨猟に出たところ、乗っていた船が転覆し、
ボーンらとともに水死体で発見されたとのこと。
この真相の裏を、苫米地氏はこの本の中で推測しています。)


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他にも、2005年9月に行われた第44回衆議院議員総選挙で、
小泉純一郎首相(当時)が圧勝した時のこと。

彼はその時、
「郵政民営化こそが、構造改革(行財政改革)の象徴だ」
と連呼をしたが、
なぜそうなのか、その理由は一切主張せず、
ただそのスローガンばかりをテレビで言い続けた、と。

(彼の主張が本物だったかどうかは、
実際に郵政民営化が実行された今の現状を見れば、一目瞭然。

また、当時の小泉氏の論理は、
「郵便局員は公務員であり、郵政を民営化すれば、公務員の数を一気に減らすことができ、財政改革に良い影響を及ぼす」というものだったらしい。
しかしそもそも、郵政事業は独立採算で行われており、
税金は投入されていなかった。よって、その事業を民営化したところで、
財政が良化するはずもない、とのこと。)


この例を苫米地氏が挙げた理由として、
当時、自由民主党は、スリード社という広報のコンサルティング会社を使って、
国民を洗脳するための巧みなマーケティング戦略を行った、と。

その方法は、

①国民を4つの層に分ける。
②IQ軸と、構造改革への肯定軸の二軸を引き、
IQが低く、構造改革には中立もしくは肯定的な層をB層と名付けた。
③上記、B層の特徴を、
「具体的なことは良くわからないが、小泉氏のキャラクターや官僚を支持する主婦層、若年層、高齢者層」と分析。
④このB層に絞ってキャンペーンを活動をすべしと結論づけた。

とのこと。
(『B層』の『B』は、『バカのB』ではないかとも指摘されたらしい。)


(ちなみに、このことは彼も別の著作で触れていましたが、
小泉氏が郵政民営化を推し進めた本当の理由は、
日本国内の行財政改革とは何の関係もなく、
郵政の持つ莫大な資金を、海外に流す事ができるようになったという点に尽きる、とのこと。)


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他にも彼は、この本の中で、以下の様な点を挙げています。



■元小泉首相の使った『B層戦略』に代表されるように、
「為政者や権力者にとって、一般大衆のIQは低ければ低いほど都合が良い」ということ。



■反日国などと言われる国(中国など)で、反日の声が高まるときというのは、
その国の政権が批判されるような政策上の失敗を犯してしまったときと相場は決まっている。

(古今東西の為政者、権力者たちは総じて、自分たちに批判の矛先が向きそうになる前に、大衆に全く別の興味を与え、そちらに気を向けさせようとする。)




■為政者、権力者はできる子の権利を奪いたい。
「ゆとり教育」実施により、「できない子の進度に合わせる」という詭弁を使って、
「国民全員をバカ」にした。

(これは、本当の改善点とは、今の日本の教育方針である「知識詰め込みばかり」で、「自分の頭で考える」という点に全くフォーカスがされていないことが問題であり、それを直すことなのに、
ただ、「知識詰め込み」の部分を減らすことで、もう一つの「自分の頭で考える」ことが、強化されますよ、という論点を元に実施がされたが、実際はそうでは無かった、ということ。)




■メディアに頻繁に登場する人物(メディアの露出度が高い人物)が、選挙に有利になる、という現状は間違っている。

(これは俺も、大学のマスメディア・コミュニケーションのクラスで習った。基本人間は、より頻繁にその姿を見る人間に、自然と好意を持ってしまう。その『イメージ』だけが一人歩きし、実際の政治力の検証なしで、その人物を選挙で選んでしまうのは、間違っている。)




■ツイッターで語られていることと、オバマ大統領の支持率とは見事にリンクしている。
(よって、ツイッターを操作することにより、オバマ大統領の支持率はどうにでも操作できる。)




■「テレビ視聴率」の数字には根拠がない。

①調査方法は、サンプル調査として、調査対象に選ばれた各家庭に置かれた調査用の機械で調べられる。
関東圏、近畿圏、中京圏ではそれぞれ600世帯、その他の地域では200世帯とのこと。
よって、全体の国民数に対して、サンプル数が極端に少ない。

②現在テレビはデジタルになったので、デジタルを使って双方向通信を使い、サンプル調査など無しに、視聴率はリアルタイムで計測できるはずだが、それをやろうと言う声が挙らない。

③現在視聴率を測る日本国内で唯一の会社は「ビデオリサーチ」。
しかしその会社の筆頭株主は「電通」。
他の株主は殆どがテレビ局。
ビデオリサーチ社の社長は元電通の取締役。

(視聴率に関して言えば、よく民放のテレビで、
「今週の視聴率ランキング」とかやってるけれど、
あの番組を放送する意味が分からない。
完全に、テレビ局内の為だけにやっている気がする。)

④最近は、スポンサーの意向など何も関係ないはずのNHK(つまり、テレビ視聴率には何の関係もないはず)までが、視聴率を気にしている。




■Google、ツイッター、Facebookなど、
最近流行っているITの技術は、既に1960年代から80年代に開発されていた。
それが今流行っている理由は、アメリカ軍や産業界からの予算が付いたため。
理由は、
軍は、「国防に役立ちそうだから」。
産業界は、「ビジネスになりそうだから」。

よって、多くの人が考えている「最先端テクノロジー」とは、
「国防的においしい技術」であり、
「投資家が投資を回収し易い技術」であり、
「うまくマーケティングに成功した技術」である。

よって、アメリカにとって「国防的に有利」であり、「ビジネス的に儲かりそうな技術」のみが、「これから流行る凄い技術」である。「これから何が流行るか」は、ごく一部の選ばれた人たちだけが集まる密室で密かに決められる。




■2011年2月に行われた、オバマ大統領を始めとする、15人の男女の夕食会。
ここに呼ばれたシリコンバレーの中心人物たち。
ここでは、「アメリカが今後どのような戦略を立て、どのように実行して行くか」が話し合われた。

Obama_Dinner_Who


以下、2011/5/13付け(今日から丁度一年前)のHuff Post Techの記事より引用;

The official guest list (via the LA Times)

John Doerr, partner, Kleiner Perkins Caufield & Byers
Carol Bartz, president and CEO, Yahoo!
John Chambers, CEO and chairman, Cisco Systems
Dick Costolo, CEO, Twitter
Larry Ellison, co-founder and CEO, Oracle
Reed Hastings, CEO, NetFlix
John Hennessy, president, Stanford University
Steve Jobs, chairman and CEO, Apple
Art Levinson, chairman and former CEO, Genentech
Eric Schmidt, chairman and CEO, Google
Steve Westly, managing partner and founder, Westly Group
Mark Zuckerberg, founder, president and