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ど根性ツバメ すくすく 能美 ひな4羽、巣から落ちても

(上)親鳥に餌をせがむひな(下)落下したひながいたとみられる巣を指さす南裕明さん=いずれも能美市荒屋町で

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コンクリート床の上で生活

 能美市荒屋町の南裕明さん(79)方の納屋で、巣から落ちた4羽のひなが、コンクリートの床の上ですくすくと育っている。自宅で10年以上ツバメの子育てを見守ってきた南さんは「落下は初めて。大きく育って何とか無事に巣立ってほしい」と成長を見つめている。(吉野淳一)

 南さん方の車庫と納屋には毎年、十個前後の巣ができる。南さんは車庫の入り口に外敵の猫などの侵入を防ぐネットを張り、納屋ではツバメだけが出入りできるよう窓を十センチほど開けている。今年は三月二十九日に初めて巣作りを確認。現在は計十五個の巣がある。

 一羽目のひなが落下したのは一週間ほど前。高さ約二メートルにある巣から落ちたとみられる。南さんは空の巣に戻したが、すぐに再び落下。同日中に別の二羽が落ちているのを見つけ、二十一日に四羽目を発見した。

 四羽は現在、仲良く寄り添い、親鳥が戻ると大きく口を開けて餌をせがんでいる。南さんは「元気に育っているので巣に戻すのはやめた。四羽が落ちた詳しい経緯は分からない。親鳥は別の親の子どもも育てている可能性がある」と話す。

 日本野鳥の会福井県によると、ツバメのひなが親鳥から餌を受け取る際に巣から落ちる例は時々あり、落下を機に子育てをやめる親鳥もいる。「優しい親鳥なのだろう。そっと見守りたい」と南さん。ひなは巣立つまであと二週間ほどかかるという。

 

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