〈時代の正体〉「差別の現実知って」朝鮮学校生徒が訴え 横浜駅前

高校無償化の適用と補助金支給を訴える朝鮮学校の生徒ら=横浜駅前

【時代の正体取材班=石橋 学】朝鮮学校だけが高校無償化制度から排除され、県からの補助金も支給が打ち切られている問題を理解してもらおうと、神奈川朝鮮中高級学校(横浜市神奈川区)の生徒が20日、横浜駅周辺で街宣活動に立った。「差別の現実を知ってください。力を貸してください」と訴え、道行く人にチラシを配った。

 高校にあたる高級部1~3年生約90人が3カ所に分かれてマイクを握った。「民族教育を受け、自分らしく生きるのは当然の権利」「教育の場に政治的理由を持ち出し特定の学校を除外することはあってはならないのでは」「私たちも学生。学ぶ権利は平等なはず」「私たちは差別がなくなり共生できる日を望んでいます」と口々に訴えた。

 チラシには自分たちの親も納税の義務を果たしていることなどを記し、献血や地域のイベントに参加している写真を添え、地域社会の一員として共に生きている姿を伝えた。

 自ら手を伸ばしてチラシを受け取った仕事帰りの女性(54)は「夫の収入が減り、私学助成金に救われている身で人ごととは思えない。職場でもフィリピンやタイの人たちへの差別を目の当たりにしている。差別がまかり通っている国は国際社会からも孤立する。自分たちの社会の問題として考えていきたい」と話した。

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