2013年05月15日
燃費に文句をつける前に
最近流行の燃費の良さをうたった車を購入したけど燃費が思ったよりも悪いというケースが増えているらしいですね。
知っている人からしたら「当たり前だろ」と言いたくなりますね。
私の親はたまに現場から社用車の2代目プリウスで直帰してきます。その時の燃費はリッター30kmを記録しています。休日の前日なら家の用事や買い物にでかけるときもその社用車のプリウスを使うのですが、それでもリッター30kmです。
ノロノロと特別遅く運転しているわけではありません。周りの車に迷惑がかからないように交通の流れにはちゃんと乗っています。親が言うには気を抜いて走ってもリッター20kmを下回ることは基本無いとのこと。
親の運転は私の主観ですが非常にうまいと思っています。伊達に30年間ゴールド免許を続けていません。
プリウスで燃費が出ないと文句を言う知り合いの運転を助手席で見たことがありますが、お世辞にもうまい運転とは言い難かったです。
また親が運転するプリウスは社用車のため廉価グレードです。オプションもほとんどついていません。知り合いのプリウスは最上級グレードでした。もちろんこの二つでは車重が違います。
車重が重いと燃費が悪くなるのは当たり前ですよね。知り合いのプリウスは本来持っているポテンシャルを発揮できなかったんです。
ある自動車ジャーナリストによればプリウスはスーパーカーなんだとか。普通の一般乗用車とは比較にならない性能を数値で出すことができるからだそうです。
メーカーが公表する燃費は指標だと考えるべきです。
車が持っている燃費のポテンシャルを数値化したものに過ぎません。燃費はメーカーオプションや販売店オプション、荷物の積載状況、乗員の数、交通状況、自然環境によっても変動します。
ちなみにアメリカでは新EPA予想燃費の表示が義務付けられています。これは日本のJC08モードとは違い、気温が低いときの走行やスロットル全開での急加速などありとあらゆる状況をテストして弾きだされた燃費数値です。これによるとプリウスの平均燃費はリッター21kmだそうです。
開発者の人によれば、正直なところ物差しがバラバラかつ複雑すぎてたまらんといった状況らしいです。
アメリカの燃費試験は非常に複雑で1週間かかるそうです。途中で失敗したら一からやり直しだとか。
燃費を気にするのであれば「燃費がいい車を選ぶ」ではなく「燃費が良くなる運転をする」が重要です。
だからと言ってエコカーが無駄というわけではありません。燃費が良かったり、CO2排出量が少ないのは事実なのですから。
私はHV車を買うメリットはガソリンスタンドに行く頻度が減ることだと思います。レギュラー142円の数字を見る頻度が減ると言うのは精神衛生上すごくいいことだと思います。
かといって実燃費が重要ではないと言うことではありません。
トヨタでは公式試験法に基づく燃費数値のほかに様々な条件を考えた燃費数値を出していました。
日本、北米、欧州などの地域はもちろん、夏のエアコンをかけながらの運転や冬の寒い朝の運転、大渋滞時や流れのいい高速道路やアウトバーンでの超高速燃費などを考えた数値を出していました。
しかしその数値が一般の人の目に映ることはありません。公式試験での数値を表示することがルールだからです。そういった社内の試験法での数値は学術論文などでしか扱うことができません。
こういったことは他のメーカーでもやっているでしょう。でも同じように一般ユーザーの目に映ることはありません。
公称燃費と実燃費がかけ離れているからと言ってメーカーが嘘をついている、ユーザーをだましている、エコカーは不要といった議論は無駄です。
本当に燃費を考えて車を選ぶのであれば、まず燃費のいい運転を心がけるべきです。メーカーや開発者に文句を言うなどもってのほかです。
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Posted at 2013/05/15 14:27:24