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【社会】世界90カ国の法律家団体「冤罪懸念」 「共謀罪」法に抗議声明
「共謀罪」の趣旨を含む改正組織犯罪処罰法について、世界約九十カ国の法律家団体でつくる「国際民主法律家協会(IADL、本部・ブリュッセル、ジーン・マイラー会長)」が抗議声明を出したことが分かった。IADLに加盟する日本国際法律家協会(JALISA、大熊政一会長、会員約三百人)のメンバーが二十一日、都内で記者会見を開いて明らかにした。 声明は、法が成立した六月十五日付。IADLのジュネーブ代表が同十六日に国連人権理事会で読み上げた。声明は、プライバシー権に関する国連特別報告者ジョセフ・ケナタッチ氏から懸念が示されていることに触れ「『組織的犯罪集団』の定義の曖昧さは安全保障のセンシティブな(機微に触れる)領域における非政府組織(NGO)の活動に対する監視を合法化する機会を与える」として、共謀罪廃止を求めている。 IADLは一九四六年、ナチスに抵抗した法律家たちがパリで設立。世界各国の弁護士や学者らが平和の実現や人権擁護を目的に活動している。スイス・ジュネーブで毎年三回開かれる国連人権理事会で声明を出し、各国の人権状況についてホームページなどで意見を表明している。 会見では、英国の共謀罪と対テロ法に詳しい清末愛砂・室蘭工業大大学院准教授が「共謀罪の発祥地・英国では近年、共謀罪が対テロ法とセットで使われ、大量の職務質問や逮捕、差別的な運用が行われており、それが冤罪(えんざい)につながっている」と指摘。日本でも、共謀罪の運用がテロ対策を名目とした人権侵害につながる懸念を訴えた。 IADLの理事を務める笹本潤弁護士は、ケナタッチ氏への政府の抗議について「北朝鮮が人権状況に関する国連特別報告者に協力しないことを、日本政府は非難している。政府の姿勢はダブルスタンダード(二重基準)ではないか」と批判した。 PR情報
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