<僕としては、妻は妻で「身から出たサビ」のところもあるのかなと思っています。妻は選挙命、家庭を顧みずという面もあります。秘書さんの信じられないミスもあったようで、本人も悩んでいました――。>

「このハゲー!」で有名になった暴言議員にも、家族がいる。耳を疑うような妻の「絶叫音声」を、連日の報道で聞かざるを得なかった夫の心中はいかに。7歳年上の夫が、初めて胸中を明らかにする。

夫は霞が関のキャリア官僚

東京ベイエリアにそびえる地上44階建ての高級タワーマンション。リュックサックを背負い、黒のスーツにワイシャツ姿の男が、エントランスに姿を見せた。顔は黒く日に焼けている。

―週刊現代です。夜分遅くに申し訳ありませんが、奥さんについてお話を伺いたいのですが。

「とんでもないです、はい。あの……僕は公務員という立場なので今回の件についてお話しするのは適切ではないと思っているんです」

躊躇いを見せた吉村圭氏(49歳・仮名)は、「内閣官房企画官」の肩書を持つ霞が関のキャリア官僚だ。普段は温厚な人柄で知られるが、この日の表情は硬い。

それもそのはず、この1ヵ月、吉村氏の妻は、松居一代に並ぶ「時の人」だったのだ。

豊田真由子代議士(42歳)。「このハゲー!」「違うだろー!」などの「名言」をはじめ、常軌を逸した秘書への暴言・暴行が告発された国会議員だ。6月下旬に騒動が報じられるやいなや、豊田氏は自民党に離党届を提出、心身症を理由に入院した。いわば謹慎中の身である。

豊田氏は旧姓で政治活動をしており、夫とは姓が異なる。騒動以降、豊田氏の家族はどう暮らしてきたのか。夫・吉村氏が初めて重い口を開いた。

別居はしていません

「ただ、その、妻の話なので……。妻は、今精神的にすごく大変な状況だと思うんです。僕としては、妻は妻で『身から出たサビ』のところもあるのかなと思っています。

ただし、子供が2人いるんですけど、親の立場として子供たちだけには辛い思いをさせたくないと思っています。そういう意味では、テレビ局の方が来られて自宅のピンポンを鳴らされたりすることもあるので、まずは子供のケアをしなくてはいけないと思っています。子供がおかしくなってしまうのが、一番辛いんです……」

吉村氏は、苦しそうな顔を見せた。夫妻には9歳の男の子と7歳の女の子がいる。子供―。豊田氏の秘書への暴言のなかでも、以下の音声はあまりにも惨いものだった。

〈(秘書の)娘が、顔がグシャグシャになって頭がグシャグシャ、脳ミソ飛び出て、車に轢き殺されても……(ミュージカル調で)♪そんなつもりがなかったんですーーーで、済むと思ってんなら同じこと言い続けろ〜〜〜〜〉

―吉村さんとお子さんは、豊田さんと別居しているという報道もありました。

「別居なんてしていないですよ。今、妻は入院しているだけですから。ずっともう入院している状態なのです。僕はもう子供たちのケアをするので精いっぱいです。

妻は本当に家庭では優しい母親なんですけど、選挙命、家庭を顧みずという面もあります。ただ、今回のように秘書さんとトラブルになってしまったのは本当に申し訳ないと思っています。

でも妻は政治に対して命を懸けてやっていたと僕は思っています」

本日7月21日発売の週刊現代(8月5日号)では、4ページにわたって、夫が見た豊田議員の「素顔」が赤裸々に語られている。子どものこと、選挙活動のこと、そして今後のこと――。有権者はこの告白を、どう受け止めるだろうか。