機関第一研究委員会

1. 委員会概要

 機関第一研究委員会は,大手造船会社6社,大手船会社6社,官公庁および関連法人の参加で構成されており,現在の委員数は18名(内,オブザーバ1名)である.本研究委員会の目的は,主として,船舶の機関部の基本計画および運航に関わるテーマを選定して活動することにある.これまで,特に主機周辺の諸問題をテーマに活動してきており,近年では,舶用機関におけるガス焚きエンジンおよびその周辺の動向に関する調査や,NOx,SOx3次規制に関する情報収集と情報交換,また,JIMEガイドライン化の検討作業等に対して,精力的に活動している委員会である.

2. 平成27年度委員会開催日

 本研究委員会では,下記の日程で委員会を開催した.平成26年度に引き続いて,各回において,NOx,SOx3次規制に関わる各エンジンメーカの対応に関して,エンジンメーカから担当者にお越し頂き,勉強会のスタイルで話題提供をして頂き,質疑応答を行ってQ&Aの形式にて資料を作成した他,JIMEガイドライン化に関する審議を行った.また,委員同士の情報交換の場としても,いずれも積極的に利活用される委員会となった.

  第406回 平成27年 3月26日 東京海洋大学にて
  第407回 平成27年 7月 2日 住友重機械MEにて
  第408回 平成27年 8月20日 川崎汽船にて
  第409回 平成27年10月21日 三菱重工にて
  第410回 平成27年12月 4日 三宮研修センターにて

3. 合同委員会の開催

 上記のうち,第410回委員会は,機関第一,第二,第三研究委員会の合同委員会として開催した(写真).合同委員会では,各研究委員会における最近の活動状況について紹介の後,各委員会の過去に提出した研究報告書のJIMEガイドライン化への取り組みの進捗状況について意見交換を行った他,今後の合同研究委員会のより円滑な開催方法についても意見交換を行った.また,本合同委員会において,海上保安大学校の西村先生を講師に迎え,「事故分析-護衛艦あたご/漁船清徳丸衝突事故」と題して話題提供をして頂いた後,活発な質疑応答があった.

合同委員会

4. NOx,SOx3次規制に関わるエンジンメーカ各社および周辺機器メーカ各社の取り組みについて

 平成27年度の活動内容は,平成26年度に引き続いて,NOx,SOx3次規制に関わるエンジンメーカ各社,および,周辺機器メーカ各社の取り組みについて,担当者にお越し頂き,勉強会のスタイルで話題提供を頂いた後,活発な質疑応答を行い,その結果を,Q&Aの形で記録したものを,支障のない範囲で報告書としてとりまとめ,ゆくゆくは会員の皆様にも提供するべく,活動作業を行っている.平成27年度は,以下の7社より,話題提供をして頂いた.

 1. バルチラエンジンのNOx3次規制への取り組みについて --- バルチラジャパン 木原氏
 2. 尿素水について --- 三井化学 岩月氏
 3. ダイハツ IMO Tier V 対応SCR装置 --- ダイハツディーゼル 花本氏
 4. 三井-MAN B&W機関NOx3次規制への対応 --- 三井造船 島田氏
 5. ヤンマーSCRシステムの紹介 --- ヤンマー 濱岡氏
 6. ディーゼルユナイテッドのNOx3次規制対応について --- ディーゼルユナイテッド 中島氏
 7. 新潟原動機のNOx3次規制対応について --- 新潟原動機 亀高氏

 今後もこのスタイルを継続し,一通りのエンジンメーカ各社の対応の様子について,担当者にお越し頂き,話題提供を頂いて勉強会を実施の予定であり,最終的には,それらを取りまとめて,報告書を提出する予定である.今後は更に,周辺機器メーカ各社,特に,SOxスクラバー関連メーカを予定している.

5. 活性化への取り組み

 ここ数年に亘って,機関第一,第二,第三研究委員会による合同研究委員会を開催し,相互の交流を深め,本研究委員会における研究活動に向けての活性化に取り組んでおり,平成27年度も同様に実施した.第二研究委員会が会場の手配を行い,第一,第三研究委員会で交互に話題提供を行う体制が確立し,今後も積極的に継続していきたいと考えている.また,機会があれば,第二,第三研究委員会に,少なくとも委員長が出席して,情報交換を活発化させ,親睦を深め,相互の活性化に役立つよう,良いアイデアを出してゆきたいと考えている.

<委員会委員>

委員長 地引 達弘 東京海洋大学
副委員長 溝越 貴章 住友重機械マリンエンジニアリング
会計幹事 毛利 信吾 三井造船
委員 田ノ上 聖 ジャパンマリンユナイテッド
遠藤 弘樹 川崎重工業
奥田 稔 函館どつく 函館造船所
渡辺 祐輔 三菱重工業
藤田 敬 出光タンカー
田中 敦 川崎汽船
依田 正道 三光汽船
新井 健太 商船三井
山本 秀逸 JXオーシャン
山岸 悠樹 日本郵船
小川 涼 航海訓練所
鈴木 翼 日本海事協会
津野 良治 日本船主協会
藤野 俊和 東京海洋大学
技術オブザーバ 岩本 勝美 東京海洋大学