もう少しこの話をしよう。
僕は中一が終わる春、『天空の城ラピュタ』を「発見」し、アニメに「目覚め」た。

しかし自分の画力のなさに漫画家を諦めた直後だ、正直アニメを「警戒」した。
これにのめり込んでいいものか??

その検証のために「アニメージュ」を定期購読した。
そこには毎月のように、宮﨑さんのインタビューが載っていた。

宮﨑さん、語るわ語るわ・・・。
「宮崎勤」事件の時も、毅然と発言していた。

ムック本のインタビューがまたすごい。
『トトロ』だったと思うが、あれだけ牧歌的な作品のインタビューなのに、ほぼ政治の話しかしていない。

「アニメを作るのに政治の話をするな!」という人は、まず宮﨑さんのインタビューを読めばいい。
確か書籍にまとめられているはずだから。

ともあれ、それに大きな影響を受け、中三で覚悟を決めた。
アニメは人生を賭するに値するものだ、と。

彼の数々の発言を読んでなかったら、アニメは一過性の趣味として終わっていただろう。
しかし「作ることは語ること」、これぞ「真実の器」、それを彼から学んで、決断した。
アニメ監督になろうと。

その後彼とは大分思想的な隔たりを持つようになったが、そこは是々非々、彼の思想を無碍に否定したりはしない。
彼と高畑さんは熱狂的な共産党支持者だから、未だに共産党がどうしても気になってしまう。


そういった、右だ左だというポジショントークから僕を解放してくれたのも、宮﨑さんだ(それとよしりん先生)。
僕にできることなんか微々たるものだと思うが、それでも偉大な先人の言葉を胸に、僕は語り、作る。