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佐久市に4億円寄付 「北斗の拳」など原作者・武論尊さん

「若い人に挑戦のチャンスを」と4億円の寄付を決めた武論尊さん=佐久市「若い人に挑戦のチャンスを」と4億円の寄付を決めた武論尊さん=佐久市
 「北斗の拳」などで知られる漫画原作者の武論尊(ぶろんそん)さん(70)=東京都、本名・岡村善行さん=が、自身が生まれ育った佐久市に4億円を寄付する。市は寄付を原資に基金をつくり、給付型奨学金を創設する方針。また、2018年度、武論尊さんや漫画家、編集者らが講師を務める受講無料の漫画塾「武論尊100時間漫画塾」も市内で開く。武論尊さんが18日までに取材に応じ、若者にチャンスをつかんでほしい―と意図を語った。

 奨学金は、学業が優れているが経済的な理由で進学が難しい佐久市の若者に、目標をかなえてほしい―との思いで創設。市は基金をつくり、1人当たり年100万円を4年間給付する。市内に住所がある人か、児童養護施設などに入所している市出身者が対象。成績も選考の条件となる。

 漫画塾も若者を応援したいと発案し、市などが運営委員会を設けて進める。プロの漫画家や原作者を志望する人が対象で市内在住者を優先する。費用は原則として武論尊さんが負担する。月2回開き、年間100時間のカリキュラムを受けて修了となる。

 武論尊さんは「お金が原因でやりたいことがやれないなんて悲しい。奨学金で誰かの目標が一つ開かれるのならいい」と奨学金について説明。漫画塾には「漫画は成功の成果が大きいジャパニーズドリーム。易しい道ではないがチャレンジする価値はあるし、してほしい。埋もれた才能を開かせるきっかけにしたい」と述べた。

 武論尊さんは、史村(ふみむら)翔さんの名義でも漫画原作者をする。佐久市野沢中学校を卒業し、進学が決まっていた野沢北高校の入学式当日に退学届を出して自衛隊に入隊。その後、漫画家のアシスタントをするなどして、漫画原作者となった。代表作は、武論尊名義で「北斗の拳」「ドーベルマン刑事」など、史村翔名義で「サンクチュアリ」など。

(7月19日)

長野県のニュース(7月19日)