原子力委員会「原発は低コスト利用推進」

原子力委員会「原発は低コスト利用推進」
k10011066571_201707201813_201707201814.mp4
国の原子力委員会は、原発は運転コストが低い電源であり、地球温暖化や国民生活への影響を踏まえ今後も利用を進めるなどとした原子力政策の新たな指針を取りまとめました。一部の委員などからは、福島第一原発の事故などを受けて原発の経済性を疑問視する意見も出されていましたが、今回の指針には反映されませんでした。
かつての「原子力政策大綱」に代わる新たな指針として、国の原子力委員会は20日、今後の原子力政策の「基本的考え方」を取りまとめました。

それによりますと、国や電力会社などは福島第一原発の事故を真摯(しんし)に反省し、事故は必ず起こりうるという認識で安全性の向上に努めることが必要だとしたうえで、原発は排出する二酸化炭素が少なく運転コストが低い電源なので、地球温暖化問題への対応や国民生活への影響を踏まえながら利用を進めると明記しています。

一方、一部の委員や一般から募った意見では、福島第一原発の事故の教訓や高速炉開発を含めた核燃料サイクルの不透明さから、原発の経済性を疑問視する声が寄せられていましたが、20日に取りまとめられた指針には反映されませんでした。

これについて原子力委員会の岡芳明委員長は「原発のコストについては必要な時期がきたら改めて評価がなされるだろう」と述べ、5年後をめどに指針を見直す考えを示しました。