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 昭和天皇の逝去後、当時の駐日英国大使が英政府側に、「彼(昭和天皇)の権限は限られたもので、日本が軍国主義に傾いていくのを止めるには、彼は結果的には無力だった」と、天皇の戦争責任に否定的な見解を伝えていたことがわかった。旧日本軍への苦い記憶を持つ英国には天皇の戦争責任を厳しく問う声も少なくなく、当時のサッチャー英首相側は日本での議論に関心を持っていたようだ。

 英公文書館が20日公開した、ホワイトヘッド元大使がハウ元外相にあてた公文書で判明した。天皇逝去から16日後の1989年1月23日付で、昭和天皇の人柄や象徴天皇としての功績、逝去後の日本社会の反応などが記述されている。

 戦争責任に関しては、「ヒロヒト(昭和天皇)は日本の政策の方向性に違和感を持っていた」「戦争へ向かう動きを妨害するために、個人的な影響力を行使しようと一貫して試みた」などと言及。「あの時代の国家元首として、天皇が戦争責任を完全に免れることはできない」としつつも、「彼は最終的には無力だった」とし、「これが今日の日本での通説だ」とまとめている。

 昭和天皇が逝去した際、当時の…

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