あなたの「ケガ防止力」は? 反射能力の簡単チェック
日本経済新聞電子版
戸外で子どもたちと体を動かす機会が増える夏。とっさのケガを防ぐには、体を思い通りに動かす力が必要だ。一見単純な運動が、反射能力と巧緻性を高めるのに役立つ。難なくこなせるか、挑戦してみよう。
日ごろあまり運動をしていない人は、慣れないスポーツやレジャーで思わぬケガをしがちだ。非日常的な活動時に、思うように体が反応できないのが原因だ。
私たちの日常動作は、複雑な反射や反応で成り立っている。例えばボールをキャッチするとき。飛んできたボールが視界に入ると「ボールが来た」という情報が、視神経から脳に伝わる。
ボールを受け取るために、どの筋肉をどの程度収縮させるかを脳内で判断する。脳からの指令が電気信号によって脊髄神経を経て、末梢(まっしょう)神経から全身の筋肉に届く。その情報に基づき、必要な筋肉が収縮して実際の動作となる。
人の動作はパターン化しやすいため、刺激に乏しい生活を続けていると、反射能力や巧緻性が衰えてしまう。巧緻性とは身体調整能力の一つで、手指の動作のたくみさや器用さを示す。脳からの指令に基づく筋の反応を、スムーズかつ巧みに遂行するために必要だ。
巧緻性や敏しょう性に欠けると、とっさの対応が遅れる。今回は身体を自在にコントロールするのに役立つ運動を紹介したい。
まずは座ったままできる、指先の運動「親指・小指の入れ替え」(写真1参照)。軽くこぶしを握り、片方の手は親指だけ、反対側の手は小指を、それぞれ立てる。
次に、立てる指を左右同時にサッと入れ替える。さっきまで親指を立てていた手は、小指を立てている、といった具合だ。他の指が立たないように気を付けて、スムーズかつリズミカルに繰り返そう。
続いて「一人ジャンケン」(写真2)。右手が常に勝ち、左手は負けるという状態を保つようにして、グー・チョキ・パーを両手同時に順に切り替えていく。単純なルールだが、うっかり違う動作になってしまって苦笑いする人も多いはずだ。