アンチ近藤誠派の人たちは、まともに戦ったら勝ち目がないためか、かろうじて反論できそうなものを慎重に選び、それだけを集中的に取り上げ続けて近藤誠をたたく、という手口をよく使います。
その代表例が、イギリス・ミドルセックス病院の論文です。アンチ近藤誠派の人たちは次のように非難しています。
近藤誠氏による乳がんの生存曲線によるインチキを解説してみるhttp://d.hatena.ne.jp/NATROM/20140716
メシアの反論①
まず、『実は乳がんではなく前立腺がんの論文だった』との指摘なのですが、近藤誠の天敵である大場大や勝俣範之でさえまったく気づけなかったことなのですから、そんな話はこの際どうでもいいことだと思います。“ほとんどの人が乳がんの論文と勘違いしてしまうものだった”━━ただそれだけのことでしょう。
メシアの反論②
勝俣範之によると近藤誠は『当時の乳がんはすべて臓器転移がある本物のがんと思われます』と述べたというのに、よく調べてみると早期がんの患者も含まれていたそうです。
早期がんの患者も含まれていたのなら生存期間が長くなるのは当たり前だと勝俣範之は指摘しているのですが、1つ明らかな誤解があります。
たしかに近藤誠は【がん治療に殺されない七つの秘訣】の中で前述の発言をしてはいますが、【がん治療に殺されない七つの秘訣】より前に発表した【患者よ、がんと闘うな】の中では、『1期は0%、2期は2%、3期は23%、4期が74%を占めていました』と、4期以外の患者も含まれていることを認めているのです。よって『当時の乳がんはすべて臓器転移がある本物のがんと思われます』との発言はちょっとした勘違いだと思われます。
そもそも、250人中186人が4期の患者だったのですから、2期、3期の患者が含まれていなかったとしても生存期間中央値はAが1位のままでしょう。
メシアの反論③
大場大によると近藤誠の紹介しているグラフは、Aが有利になるように様々なズルがもちいられているそうです。
が、大場大の本にはなんら具体的な説明が書かれていないので、近藤誠がどんなズルをもちいたのかはさっぱりわかりません……。
大場大はジーン・ディクソンと同じ手口を使う大ペテン師なので、大場大の言うことのほうが嘘まみれの可能性が高いと思いますが……。
メシアの反論④
大場大によると前述の論文には、なんと無治療群と治療群の生存期間を比較したデータが載っていたそうなのです(!!)
そして論文著者はこう結論付けているそうです。
「無治療群の半数は3年ほどしか生きられなかったが、治療群は生存期間が延びただけでなくQOLも向上した」
『だからがんは放置がいいなんていうのは噓なのだ』と大場大はまとめているのですが、さにあらずです。
この論文がBMJに発表されたのは1962年ではありますが、生存曲線は1805年から1933年までの間に死亡した患者のものなのです。
当時はまだ抗がん剤は登場していないので、治療といっても抗がん剤治療ではなかったはずです。よって【放置vs抗がん剤治療】というわけではなく、抗がん剤の有効性を示す証拠にはなりません。
また、手術不能と判定されて自然経過を見たものなので、手術による治療もおこなわれなかったはずです。
では、なんの治療がおこなわれたのか?
論文の著者は2人いまして、1人が外科医のリチャードソン医師、もう1人が放射線治療医のブルーム医師です。
そう。近藤誠と同じ放射線治療医が論文の著者なのです!
近藤誠はがん患者に基本的に放置を勧めるものの、場合によっては放射線を勧めることもあります。
きっとブルーム医師は、近藤誠とほぼ同じ治療を患者に施したのだと思われます。その結果、放射線もなにもやらない完全なる無治療群より生存期間もQOLも上回ったわけですから、むしろ近藤誠の考え方と治療方針の正しさが立証された論文といえるのではないでしょうか?