豊田>原発事故で溶解した燃料棒の崩壊熱は今はどの程度なのでしょうか。まだまだ大量の水を循環させて冷やす必要があるのか,初期に比べれば大幅に冷えて来ていて少量の水でいいのか,どう思われますか。半減期と同じように考えて,3年も経てば相当冷えて,冷却も容易になっているように思えるのですが。


と言う質問を受けましたが、遠い昔のことで、発熱量をどうやって見積もったか、すっかり忘れてしまいました。幸いに、sio_sioさんからお答えいただきました。


Sio_sio>崩壊熱ですが、ANSI/ANS-5.1式で計算した結果では、1号機で約50kw,2,3号機で約90kwくらいでした。注水量は、現在の1/101/20程度でも十分に冷却できます。


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東電のHPを見ると(文献1)、現在の注水量は毎時2m3程度です。そして、原子炉格納容器の温度は1号機が30℃、2号機3号機が39℃、35℃です。


約2年半前のブログ記事を見ると(文献2)、核分裂停止から3ヶ月後の崩壊熱が停止直後の0.06%として、7月の崩壊熱は、1号機が0.83 MW、2号機と3号機が1.43 MWになる、と書いてあります。Sio_sioさんの計算値は、この1/15程度です。


当時の崩壊熱を除去するのに必要な水量は1号機で毎時1.2m3、2号機3号機で毎時2m3と言う計算でした。当時の実際の注水量は、4.4m37m36m3でした。

現在は、崩壊熱が1/10以下になっているのに、注水量は半分程度にしかなっていません。格納容器の温度は、当時140℃くらいで、現在は相当に低温になっています。(これも、冷えない、と騒いだ人たちがいたように、おぼろげながら記憶しますが、彼らは反省しているでしょうか?)

注がれた水のほとんどが、冷却には寄与せず、圧力容器にあいた直径1cmくらいの穴から(核燃料が、格納容器からどんと下に落ちた、とトンデモナイ描像を東電は主張していましたが、知らぬ間に撤回したでしょうか?未だに変更なしでしょうか?)じゃじゃ漏れになっていることが、改めて、わかります。


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(参考文献)
1)

福島第一原発 プラント関連パラメーター

2014年9月9日11;00現在

http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/f1/pla/2014/images/table_summary-j.pdf


2)
2012
012422:30「1号機は燃料が全て格納容器に落ちたとの東電描像は、間違い(5)ーー注水量から、圧力容器に開いている穴の径は僅か1cm

http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/52033719.html