尖閣諸島事件について申し上げたいんですが、この事件の処理は、国の内外に大変評判が悪いことは御承知のとおりであります。(5) 松本健一氏(内閣官房参与(東アジア問題担当))
ところが、総理はこの国会を通じまして、いやいや、それはそういう意見もあるけれども、この処理しかなかったんだと、五年たち十年たてば歴史の評価に堪え得るんだと、こういうことを言われている。私は大変疑問に思っているんですよ。
今回の尖閣諸島事件を私なりに整理しますと、一つは、我が国は法治国家でありながら、法治国家としての筋を通さずに有形無形の中国の圧力に屈したんですよ。それが一つ。それから二つ目は、本来この種のものは指揮権発動云々ではなくて、政治が決めて政治が責任を持つべきであるにかかわらず、検察に丸投げして、法と証拠の検察を振り回したんです。その結果、政治も検察も共に権威を失墜してイメージダウンしたんです。それから三つ目は、尖閣ビデオを早めに一般公開すりゃいいんですよ。それを隠しまくって、結果としては身内から流出して、これは世界中に恥をかいたようなことになっているんです。
中国と事を構えない、中国と穏便にすることをもって、五年、十年の歴史の評価に堪え得るとお思いですか、総理。[13]
Q: 釈放は菅氏と仙谷氏の2人で決めたのか(6) 丸山和也議員(自民・参)
「少なくとも官房副長官くらいはいるかもしれないが、政治家が決めた」
Q:官邸側の誰が法務省・地検側に釈放しろと命令をしたのか
「少なくとも菅氏はしていないでしょう。仙谷氏の可能性が高い」Q:
Q:官邸側の指示で検察が動いたといえるか
「それはそうですね」 [14]
もう一つ、いわゆる指揮権発動というのは法的手続に乗った手続であります。しかし、いわゆる刑事事件あるいは刑事事件になるべきような事案に対して、その法的手続取らないで政治介入をするということは、これは当然法治国家としてあり得ないことなんですね。【 参考資料 】
そこで、やはりこれも近時の事件ですけれども、一昨年ですか、あの尖閣諸島事件がありましたときに、中国人船長が当然起訴、裁判になると思っていたら、突如として那覇地検が国際関係、日中関係を考慮して釈放してしまったというとんでもない事件があったんですけれども。これ私は、歴史だんだん解明されていますけれども、いわゆる政治介入していないと言っていますけれども、いわゆる隠れた指揮権発動なんですよね。あのときにやるならば、堂々と当時の法務大臣が指揮権を発動するなら、これは手続としてですよ、その是非は別にして、筋は通っていたと思うんですね。しかし、それをしないで、まあ官邸が中心になって圧力掛けたんでしょう。それで検事にそういう意向を伝え、検察庁がそれを釈放してしまった。[15]
[1] 2013/4/23 参議院 予算委員会 丸山和也議員の質問
ビデオ時間 (22:17-28:25) 以下同じもの
① http://www.webtv.sangiin.go.jp/generator/meta_generator_wmv.php?ssp=10938&mode=LIBRARY&pars=0.3529127060090793
② http://www.youtube.com/watch?v=2rf_OkV9cP8&feature=youtu.be&t=10m23s
(自由民主党・無所属の会 丸山和也議員)今日の本題ですが、2年半ほど前、尖閣諸島の漁船衝突事件が起こりました。釈放を決定した時、私は当時の官房長官仙谷由人氏に電話をしました。「法に従っ裁判もしないで処分保留で釈放してしまうというのは、どういうことだ。こんなことをしていたら日本は中国の属国になってしまうんじゃないか」と、という会話をした記憶があります。その時に「そんなことをしたらAPECがふっとんじゃうよ。それに今更属国も何も無いだろう、もう属国だよ」という趣旨の発言をされた。それで私は立腹して、今もその問題を追及しているのですが、これに対する当時の菅内閣ですけど、その扱いについては総理はどのようにお考えになっているのか?[2]自民党・町村信孝議員 2012/1/31 衆議院予算委員会
(安倍総理)今、個別の出来事についてはあまりコメントをするべきでないと思いますが、当時の中国の漁船等々の領海侵犯あるいはまた領空侵犯等に対する行為に対して、日本側の体制の基本的な方針は、私は極めて不十分というか、間違っていた、このように考えます。安倍政権においてその対処方針は基本的に改めた、ということは衆議院の予算委員会でお話しをさせて頂いたとおりでございます。基本的にはそれぞれ司法の役割もありますが、日本の領土、領海を守るこの責任を最終的に負っているのは内閣総理大臣でありますから、内閣総理大臣が確固たる決意を示すのは当然のことであろうと、私は思います。
(丸山和也議員)2つの問題があったと思うんです。1つは中国の恫喝に脅えて放免して釈放してしまった、という外交・政治上の問題。もう1つは、官邸主導で地検に命令を出して釈放した、実質的にはですね、これはある意味では政治が司法に介入した裏指揮権発動ともとれるのですが、この点について、指揮権の発動とはどういうものか、法務大臣、説明して頂きたい。
(谷垣法務大臣)指揮権発動とは何か、ということでございますが、検察庁法の14条に規定がございまして、「法務大臣は検察官の事務に関し、検察官を一般に指揮監督することができる。但し、個々の事件の取調又は処分については、検事総長のみを指揮することができる。」こういう規定になっております。それで検察権の行使に関して法務大臣に一般的な指揮監督権がある、ということにしつつ、具体的な事件に関しては検事総長のみを指揮することが出来る--というのはいったいどういう意味なのかというと、検察権は行政権に属しているから、最終的には内閣のコントロール、内閣の責任というものがあるはずでございまして、それを法務大臣の指揮権という形で表現している。しかし他方、司法権と検察権というのは司法権と密接不可分の関係にございますので、独立性の確保、あまり政治のコントロールに全部従うということでは検察・司法の独立性というのも達成できなくなる。その調和がこういう形で表現されている、というふうに理解しております。
(丸山和也議員)過去に指揮権が発動された例はございますか?
(谷垣法務大臣)いま紙はございませんが、犬飼健法務大臣の時に、指揮権の発動、当時の検事総長、佐藤総長とおっしゃったと思いますが、指揮をした例がございます。
(丸山和也議員)過去に1回だけだったと思うのですが、今回、平成23年9月26日の産経新聞によると、松本前内閣参与が「菅・仙谷氏が政治判断によって釈放したんだろうと、これはほぼ間違いないと、官邸側の誰かが法務省地検に釈放しろと命令したのかと、少なくとも菅氏はしていないでしょう、仙谷氏の可能性が高いと」、ま、これはっきりとほぼ断言に近いことをやっているのですが、そうだとすると法務大臣、これは闇指揮権発動ということになるのではないですか?
(谷垣法務大臣)闇指揮権発動というご主張ですが、私が受けております報告は、検察当局において決定したものであると。そしてその決定にあたっては那覇地方検察庁が上級庁である福岡高等検察庁と最高検察庁と協議して決定したものである、という報告を受けております。
(丸山和也議員)この事件はある意味では戦後最大の事件だと思う。領土問題も国の主権も問われた覚醒させた大きな事件だと思う。そして司法と政治の問題もからんだ本当に根幹的な事件だと思いますので、当時の菅元総理、仙谷元官房長官 この二人を参考人として呼んで当委員会で集中的に審議してもらいたいと思うんですが 委員長如何ですか?
(石井一委員長)後刻、理事会で協議いたします。
[3]レアアース禁輸に潜む中国の不満 “来年の輸出枠”に揺れる日本企業 (週刊ダイヤモンド、2010/10/4)
[4]利用したデータベースは「国会会議録検索システム」
キーワードは、中国漁船、尖閣、松本健一、指揮権発動、フジタ など
[5]ウィキペディア他
[6]平成22年10月26日 参議院 外交防衛委員会
[7]株式会社フジタ プレス発表(2010/10/10)
[8]平成22年10月26日 参議院 外交防衛委員会
[9]平成23年04月15日 衆議院 外務委員会
[10]平成22年09月30日衆議院・予算委員会
[11]平成22年09月30日衆議院・予算委員会
[12]平成22年09月30日衆議院・予算委員会
[13]平成22年11月22日 参議院・予算委員会
[14]尖閣、中国人船長釈放で松本前参与「官邸側が判断した」(産経、2011/9/26)
(「すけろくのひとりごと」の管理人さんに感謝します。)
[15]平成24年06月19日 参議院・法務委員会
その他参考資料
「権力の大罪 丸山参院議員、仙谷氏を提訴」(政界往来、2012/1号) ← 必見
「闇に消える『尖閣衝突』法的処理」(渡辺利夫、産経、2012/5/11)
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